昨日の海外時間には、米長期金利が上昇したことなどからドル買いが強まる場面もありましたが、ドイツ連立与党のCSU党首のゼーホーファー内相がメルケル首相と合意した、と述べたことからユーロ買いが強まりました。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

ドイツ与党CDU/CSU連合でメルケル首相(CDU)と連立を組んでいるCSUの党首ゼーホーファー内相が、辞任をちらつかせてメルケル首相と移民問題について協議をしていました。昨日の欧州時間には対立が報じられていたこともあってユーロは弱含みに推移していました。しかしNY時間遅くになって結局は「明確な合意に達した」とされ、ドイツ連立政権崩壊の危機は遠のいたようです。ユーロドルはドルが全般的に強いこともあってこのところの安値圏での動きが続いていますが、この問題が一段落したとされれば、反発する可能性が出てきたのではないでしょうか。

5月高値付近で再度ドル売り

一方ドル円相場は引き続きレンジ相場が継続すると考えていることから、5月高値の111.30円付近でドル売りをしたいと考えています。111.50円上抜けに損切りを置きます。

海外時間からの流れ

欧州時間序盤、日経平均先物が下落したことから円買いが優勢となって、ドル円は110.60円付近まで、ユーロ円は128.60円台まで下落しました。しかし日経平均先物が下げ止まると円も売り戻され、ドル円は110.80円台まで、ユーロ円は129.00円台まで反発しました。この間ユーロドルは1.1630台を中心とした動きでした。

NY時間にはいって、ロス・米商務長官が「WTO脱退について議論するのはやや尚早」と述べたkとからドル買いが優勢となって、ドル円は110.90円台まで上昇し、ユーロドルは1.1590台まで、ユーロ円は128.60円台まで下落しました。しかしこのドル買いは続かず、ドル円は110.60円台まで、ユーロ円も128.40円台まで下落しましたが、ユーロドルは1.1600を中心としたもみ合いとなりました。

NY時間午後にはいって、米長期金利が上昇したことから円売りが優勢となって、ドル円は110.90円台までユーロ円も128.80円台まで上昇しました。NY時間引け近くに、CSU党首のゼーホーファー内相が「将来の不法な移住をどのように阻止できるかに関して、メルケル首相と明確な合意に達した」と述べたことからユーロドルは1.1640台まで、ユーロ円は129.10円付近まで上昇しました。

東京時間にはいってから、米長期金利が上昇して円売りが強まる場面もありましたが、日経平均が反落したことから円が買い戻されています。

今日の予定

今日の海外時間には、ユーロ圏・5月生産者物価指数、ユーロ圏・5月小売売上高、米・5月耐久財受注(確報値)、米・5月製造業受注の発表が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp