昨日の海外時間には、今日に米独立記念日の休日を控えている中、独連立政権危機が遠のき、中国が為替を武器にしないとしたことなどからドルが売り戻されました。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

昨日中国人民銀行の複数の幹部が「人民元の安定を維持し、米国との通商問題で人民元を武器として活用することはない」との趣旨の発言をしたことから6月半ばから続いていた人民元安がやや戻しています。また独連立政権崩壊の危機が遠のいたことでユーロも買い戻しが優勢となって、全般的にややドルが売られました。ドル円も5月以降のレンジの上限に届かずに反落しました。今日はアメリカが独立記念日の休日のため、株式、債券などは休場となります。為替相場は取引ができますが、参加者が極端に少なくなると考えられ、小動きとなることが予想されます。

111.00円のドル売りポジションを維持

ドル円相場は引き続きレンジ相場が継続すると考えていることから、5月高値の111.30円付近でのドル売りを目指しましたが、昨日午後の上昇で朝方の高値を上抜けできなかったことから111.00円でドル売り円買いのポジションを作りました。当初111.30円に損切りを置いていましたが、現在は昨日のNY時間の高値110.65円上抜けに損切りを変更して、109円台半ばでの利食いを目指しています。

海外時間からの流れ

欧州時間序盤、この日東京時間朝にドイツ与党CSUの党首ゼーホーファー内相が「移民問題でメルケル首相と明確な合意に達した」としたことからCDU/CSU連合の崩壊危機がひとまず遠のいた、との見方でユーロ買いが優勢となって、ユーロドルは1.1670台まで、ユーロ円は129.50円台まで上昇しました。この間ドル円は111.10円台まで上昇したあと110.90円台まで下落しています。しかしかいが一巡するとユーロは利食いなどの売りに押され、ユーロドルは1.1640台までユーロ円は129.00円台まで下落しました。

NY時間にはいると、米長期金利が低下したことから円買いが強まって、ドル円は110.50円付近まで、ユーロ円は128.70円台まで下落しました。この間ユーロドルは1.1650付近を中心としてもみ合いが続きました。その後米独立記念日前日で米株式市場、米債券市場が短縮取引だったこともあって、NY時間午後にはいると各通貨ペアとも小動きとなりました。

東京時間にはいってから、全般的にドル売りが優勢となっています。

今日の予定

今日の海外時間には、ユーロ圏・6月サービス業PMI(確報値)、英・6月サービス業PMI注の発表が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp