昨日の海外時間には、NY市場が独立記念日で休場となって薄商いが続く中、「ECB一部メンバー、19年末の利上げは遅過ぎると認識」と報じられたことからユーロが買われました。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

昨日はNY市場が独立記念日の休日のため薄商いの中、ECBの利上げ開始時期が市場が予想している2019年よりも前倒される可能性が報じられユーロが急騰しました。ドル円は特段材料はありませんでしたが、対ユーロでドル売りが強まったことを受けてややドルが売られました。今晩はFOMC議事録が公表されますが、前回のFOMC後の記者会見でパウエル議長が「中立金利に関して積極的に議論した」と述べていますので、NY連銀総裁に就任することが内定しているウイリアムSF連銀総裁をはじめとする主要メンバーがどのように論じていたかが注目されます。これまで中立金利は3%と考えられていますが、ウイリアムSF連銀総裁はより低めの金利を想定している、とみられています。

111円のドル売りポジションを維持

ドル円相場は引き続きレンジ相場が継続すると考えています。一昨日111.00円でドル売り円買いのポジションを作って、当初111.30円に置いていた損切りを110.65円上抜けに変更して、109円台半ばでの利食いを目指しています。

海外時間からの流れ

欧州時間、特段の材料はありませんでしたがドル買いが強まって、ドル円は110.50円台まで上昇し、ユーロドルは1.1630付近まで、ユーロ円は128.50円付近まで下落しました。

NY時間午前にかけて、アメリカが独立記念日で休日だったこともあって各通貨ペアとも小動きが続きました。しかしNY時間午後に「ECB一部メンバー、19年末の利上げは遅過ぎると認識」と報じられたことから薄商いの中ユーロが急騰、ユーロドルは1.1670台まで、ユーロ円は128.90円台まで上昇しました。この間対円でもドル売りが強まって、ドル円は110.40円付近まで下落しました。

NY時間にはいると、米長期金利が低下したことから円買いが強まって、ドル円は110.50円付近まで、ユーロ円は128.70円台まで下落しました。この間ユーロドルは1.1650付近を中心としてもみ合いが続きました。その後米独立記念日前日で米株式市場、米債券市場が短縮取引だったこともあって、NY時間午後にはいると各通貨ペアとも小動きとなりました。

東京時間にはいってから、引き続き薄商いが続く中米長期金利が上昇して円売りが強まる場面もありましたが、日経平均先物が下落したことから円が買われています。

今日の予定

今日の海外時間には、独・5月製造業受注、米・6月ADP民間雇用者数、米・新規失業保険申請件数、米・6月ISM非製造業景況指数、の発表と、カーニー・英中銀総裁の講演、米FOMC議事録公表予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp