昨日の海外時間には、全般的にドル買いが強まる中、パウエルFRB議長が議会証言で「当面は、FF金利の漸進的な引き上げ継続が最善策だと考えている」と述べたこともあってドル円は113円手前まで上昇しました。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

昨日の海外市場では、再びナスダックが史上最高値を更新するなど各国株価が堅調に推移する中全般的にドル買いが優勢となりました。今日の東京時間にはドル円は1月以来約半年ぶりに113円台に乗せましたが、この水準では一旦ドル売りが出た模様です。現在ドル円は、平常時に相関性の高い米10年債利回りとの相関がほどんどなく、一方で米2年債利回りとの相関が強くなっています。米2年債利回りは2.61%と約10年ぶりの水準まで上昇していますがさらに上昇すればドル円も一段高となると考えられます。

投機的なドル買いポジション巻き戻しの可能性

112.80円でドル売り円買いのポジションを作りました。損切りラインを113.10円において、111円台での利食いを目指しています。米2年債利回りの上昇が続けば引き続きドル高となると見られますが、投機的な円売りポジションも積み上がり始めている可能性が高く、巻き戻しも期待できます。

海外時間からの流れ

欧州時間序盤、全般的にドル売りが優勢となって、ドル円は112.20円台まで下落し、ユーロドルは1.1740台まで上昇しました。しかし売りが一巡すると特段の材料はありませんでしたがドル買いが強まって、ドル円は112.60円台まで上昇し、ユーロドルは1.1690台まで下落しました。

NY時間にはいって、発表された米・6月鉱工業生産が予想よりもやや強い結果だったこともあってドル買いは続きました。またパウエルFRB議長が議会証言で「当面は、FF金利の漸進的な引き上げ継続が最善策だと考えている」「利上げペースが遅過ぎれば、高インフレないし金融市場での行き過ぎた動きを招く可能性がある」などと述べたこともドル買いを後押しし、ドル円は112.90円台まで上昇幅を拡大し、ユーロドルは1.1650付近まで、ユーロ円も131.50円台まで下落しました。

東京時間にはいってから、日経平均が上昇していることからドル円は一時1月以来の113円台に乗せる場面もありました。

今日の予定

今日の海外時間には、英・6月生産者/消費者/小売物価指数、ユーロ圏・6月消費者物価指数、米・6月住宅着工件数/建設許可件数の発表があるほか、米・ベージュブック(地区連銀経済報告)の公表とパウエル・FRB議長の下院での議会証言が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp