昨日の海外時間には、欧州経済指標が予想よりいい結果だったことから、欧州株が堅調に推移してユーロ買いが強まる中ドル売りが優勢となりました。ドル円は111円割れを試す場面もありましたがドル売りは続かず、NY時間午後にかけて買い戻されました。
今後の見通し
今晩、米欧首脳会談がワシントンで行われる予定です。トランプ大統領は、先週「中国やEUなどは自国の通貨と金利を低い水準に操作してきた。一方で米国はドルが日々強さを増す中で利上げを続けており、われわれの大きな競争上の優位性を奪っている」とツィートしましたが、昨日も「関税は最高に素晴らしい!」「貿易で米国を不当に扱ってきた国々は、公正な取引を交渉するか、関税の直撃を受けることになる」などとツィートしています。EU側のユンケル委員長は「大きな取引」や提案はよいせずに会談に臨み、トランプ大統領の本心を探る、と報じられています。今日何か大きな決定がなされることはないと考えられますが、トランプ大統領がふたたびドル高に不満の言葉を発信する可能性があり、注意が必要です。
111.30円のドル売りポジションを維持
今日の米欧首脳会談、来週の日銀金融政策決定会合などの材料待ちで、レンジを拡大しにくい状況になっていると考えられます。111.30円のドル円のドル売りポジションを引き続き111.60円に損切りを置いて保有していますが、あまり深追いはしないほうが良いかもしれません。
海外時間からの流れ
欧州時間序盤、特段の材料はありませんでしたがドル買いが先行してドル円は111.40円台まで上昇し、ユーロドルは1.1650台まで下落しました。しかし発表された、フランス、ドイツの製造業PMIが予想よりもいい結果だったことからユーロ買いが強まる中ドル売りが優勢となって、ユーロドルは1.1700台まで上昇し、ドル円は111.10円台まで下落しました。その後も欧州株が堅調に推移する中ユーロドルは1.1710台まで上昇し、ドル円は111.00円近くまで下落しました。
NY時間にはいると、一旦ドルの買い戻しが強まったものの続かず、再びドル売りが優勢となってドル円は110.90円台まで下落幅を拡大し、ユーロドルは1.1710台まで反発しました。NY時間午後にかけては再びドルの買い戻しが強まって、ドル円は111.30円台まで上昇し、ユーロドルは1.1670台まで下落しました。
今日の予定
今日の海外時間には、独・7月IFO景況指数、米・6月新築住宅販売件数の発表が予定されています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp