8月27~31日の東京株式市場は堅調に推移した。日経平均株価は30日まで8営業日連続で上昇し、一時的に2万3000円台を回復する場面も見られた。ひと頃に比べ下値不安は遠のいているようにも感じられるが、それでも2万3000円近辺では利益確定の売りに押されるなど上値の重さも否めない。米中貿易戦争や日米貿易協議が不透明なこともあり、市場人気は依然として気迷いぎみのようだ。

東証マザーズ「8月の上昇率」ランキング

エクストリーム,株価
(画像=PIXTA)

それでは、今回は東証マザーズ市場の「8月の上昇率」ランキングをみていこう。

(1)エクストリーム <6033> 1万1480円 +567.44%
(2)フィンテックグローバル <8789> 133円 +77.33%
(3)JMC <5704> 4305円 +67.51%
(4)アドウェイズ <2489> 690円 +58.99%
(5)ALBERT <3906> 1万0530円 +54.40%
(6)ダブルスタンダード <3925> 5110円 +48.98%
(7)Fringe81 <6550> 1197円 +44.74%
(8)MRT <6034> 2097円 +44.42%
(9)メドピア <6095> 2176円 +43.92%
(10)UUUM <3990> 8520円 +43.68%

※銘柄、証券コード、31日終値、上昇率の順。データはヤフーファイナンスより。

「8月の上昇率」ランキングは、TOPのエクストリームが2位以下を大きく引き離す展開となった。また、業種別ではサービス業が5業種と半数を占め、次いで情報・通信業が3銘柄、非鉄金属とその他金融業が各1銘柄となっている。

エクストリーム、中国でのゲームアプリ配信を好感

今回は上記ランキングからエクストリーム、JMC、ダブルスタンダードを取りあげる。

エクストリームは東京都豊島区に本社を置くIT企業。スマートフォン向けゲームを開発する技術者を擁し、人材派遣や受託開発に取り組んでいる。クライアントはゲーム関連の企業が中心だが、最近はその他の分野の受託先も広げている。同時にゲームの企画開発や運営等「コンテンツプロパティ事業」も手掛けている。

前述の通り、エクストリーム株は「8月の上昇率」ランキングでTOPとなり、2位以下を大きく引き離した。背景には同社が商標権を持つゲーム『ラングリッサー』の許諾先である天津紫龍奇点互動娯楽(紫龍)が、8月2日から中国国内でiOS版の配信を開始したことにある。これを受けてエクストリーム株は急騰し、30日の取引時間中には1万2580円の高値を記録した。

8月14日、エクストリームは4~6月期連結決算の発表にあたり『ラングリッサー』の販売ロイヤリティーは業績予想に織り込んでいないことを明らかにした。ロイヤリティーの詳細は「紫龍との守秘義務により非開示」としているが、株式市場では業績期待が高まったようだ。

JMC、3Dプリンターによる医療機器開発を推進

JMCは神奈川県横浜市に本社を置くメーカー。主なクライアントは医療機器や自動車関連会社等で、3Dプリンター及び砂型鋳造による試作品、各種部品・商品の製造・販売などに取り組んでいる。

8月2日、JMCは心臓カテーテルシミュレーター「ハートロイド」について、中東やアフリカで販売を強化するため、太知ホールディングスと提携したと発表した。10日には業績予想を上方修正し、2018年12月通期の営業利益予想を2億6000万円(従来1億2600万円)、純利益予想を1億7200万円(同8500万円)にそれぞれ引き上げた。

また、29日には第1種医療機器製造販売業の許可取得を公表。既に取得済みの許可と合わせ、すべての医療機器の設計、開発、薬事申請、販売を一貫して行えるようになった。製造技術やノウハウを医療分野で活用し、利益構造を強化できるとしている。

上記の通り、8月はJMCの買い材料が相次いだことで株式市場でも人気化、今回のランキングで3位となった。

ダブルスタンダード、東証1部目指すビッグデータ関連

ダブルスタンダードは東京都港区に本社を置くIT企業。主に企業向けビッグデータの生成・提供及び活用サービスの企画開発に取り組んでいる。

8月13日、ダブルスタンダードは連結業績予想を修正し、売上高や営業利益、純利益のいずれも従来予想から引き上げた。修正理由については「既存案件の追加受注および新規顧客の獲得が好調に推移していること、並びに複数の新サービスのリリースが予定されていること」としている。さらに16日には、東証1部への市場変更の要件を充足するため、流動性向上や株主数増加を行うとして33万4000株の立会外分売を発表した。ダブルスタンダード株は需給悪化懸念から下落する場面もあったが、下値では買いが入って反発、今回のランキングで6位となった。(ZUU online 編集部)