2018年10月3日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

イタリア財政不安のほか、米中貿易問題などリスク要因が混在するマーケットだが、米ドル/円は底堅い展開が続いている。要因として昨日2日(火)もNYダウが史上最高値を更新したほか、テクニカル面でも年初来高値の113.39円を上抜けていることがあげられる。週末には米雇用統計を控え好調な米ファンダメンタルを裏付ける形となるか確認したい。一方でユーロはイタリア財政不安がどこまで拡大していくのか注視しなくてはならない。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週末、あさって5日(金)の米雇用統計だが現時点でのコンセンサスは失業率:3.8%、雇用者数変化:18.5万人、平均時給前月比:0.3%、平均時給前年比:2.8%となっている。失業率以外は前月(前年)より悪化する予測だが、米国は完全雇用状態にあり、よほどネガティブな数字が出ない限りはFRBによる利上げ継続方針が変わることはないだろう。パウエルFRB議長が昨日2日(火)夜の講演で米景気について「見通しは非常に良好」と述べたようにドルは米国の好調なファンダメンタルを素直に好感するマーケットを予測する。一方でイタリアの予算案をめぐり、ユーロは軟調だ。イタリアの予算案に関しては毎年恒例でそこまで大騒ぎしなくてもとは思うが、イタリア財政問題がマーケットのテーマになったため、必要以上に反応するだろう。今後のスケジュールとしては10月半ばにEU側に予算案を提出後11月にEUから可否という流れなので向こう1カ月はいい話題になりそうだ。また、今月末にはイタリア国債の格下げも予定されている。戦略としては欧米のファンダメンタルが真逆となるため、ユーロ/米ドルのショートを考えていきたい。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。