日本を飛び出して海外で自分の能力を試したい、高い収入を得たい、そして大きな成功を収めたいと思っている人もいるのではないでしょうか。では、実際に海外で職を得るにはどうしたらいいのでしょうか。このコラムでは、海外で働いた場合の気になる収入から老後の悩みまで解説していきます。

海外での転職はバラ色なのか!?

キャリアデザイン
(画像=Shutterstock)

海外で転職を希望する人たちの動機はさまざまです。おおむね、以下のような理由が多いでしょう。

・ 大きな仕事をしたい
・ 人脈を広げたい
・ 高収入を得たい
・ スキルアップを図りたい
・ 環境が異なる場所で働きたい

海外での仕事や待遇、生活に何を求めるのか、それによって海外での転職はバラ色にもなるし、人生のロスにもなりえます。それは本人の意思によるところが大きいといえますが、海外においての仕事は何よりも強い気持ちが必要といえるでしょう。

海外なら高収入、は幻想?

海外で転職したからといって高収入を得られるかという点は、やや疑問です。さまざまな調査を見ると、日本人の2016年の平均給与の世界ランクは19位と、かなり高い水準にあります。さらに上のクラスはほぼ欧米先進国です。高収入を目指すなら、高水準の国の企業に転職するのが理想ですが、なかなか狭き門ではあります。

一方、日本人へのニーズが高いアジア諸国は、ほぼ日本の平均給与を下回っています。現地の物価も安いので日々の生活には困りませんが、貯蓄したり、日本に仕送りしても大した額にはなりません。収入を日本円ベースで起算すれば、決して高くはないことは知っておきましょう。

海外で職を見つける2つの方法

意志も固まり、転職する国や職業も定まれば、いよいよ海外への就活のスタートです。海外で職を得る方法は、大きく分けて「海外転職サイト」「海外エージェント」の2つがあります。それぞれの特徴について見ていきましょう。

転職サイト

海外の転職サイトには多くの現地企業が登録されているので、気に入った会社が見つかれば、サイト経由で申し込みます。書類審査やWEB(Skype)面接を経てめでたく採用となれば、契約書を締結し、晴れて入社の運びとなります。

ただし、基本的なやりとりはすべて外国語ですし、もし採用されれば、分厚い契約書の隅々にまで目を通す必要もあります。さらに採用後も現地の生活感をすぐには把握できないので、はじめは苦労することが多いでしょう。それだけに、会社や仕事内容、現地情報の事前収集はみっちりとしておくべきです。

海外エージェント

海外転職エージェントは、外国企業の紹介に加え、専門のコンサルタントがつきます。主に、次のようなサービスが提供されます。

・ 本人の希望に合う求人情報の提供
・ 応募書類の書き方や面接のアドバイス
・ 待遇の交渉
・ 移住に関する情報提供など(費用は原則無料)

すでに多くのエージェント会社が、海外転職を日本語でサポートしています。それぞれの会社で得意としている国や職種があるので、まずはそれらのサイトに登録して相談すると良いでしょう。

海外転職後の資産形成、老後の生活

欧米のグローバル企業なら高い給与を見込めますが、物価も高くなります。一方、発展途上国なら給与は低いものの物価も安いでしょう。収支や貯蓄可能額は、各国各企業で異なりますから、資産形成の観点からいえば入社前にしっかり把握しておくことが大切です。

さらに、海外転職者にとっての老後への備えは、一生海外で生活するのか、いつかは日本に帰国するかによって大きく異なります。

老後も海外で過ごすのであれば、年金などはその国の制度に従うことになります。日本に帰る予定なら、国民年金に任意加入しておくという方法もあります。併せて民間の個人年金などにも入っておけば、老後の心配も少なくなるでしょう。

海外転職は、仕事だけでなく人生においても、大きな財産となる可能性を秘めています。貴重な経験を積むことはもちろん、貯蓄についても老後を見据えて、しっかりと資産形成をしておくことが大切です。

(提供:フィデリティ投信