脳のタイプによって集中のスイッチが異なる

以上を前提として、日々、勉強に取りかかるときには、どのようにして集中力を高めればいいのか。

ここで知っておいていただきたいのが、脳にはタイプがあり、人によって違うということです。

人間は、「視覚」「聴覚」「身体感覚(触覚)」「嗅覚」「味覚」の五感覚によって、情報を知覚しています。そして、どの感覚が優位に働くかは、人によって異なっています。

多くの人は、視覚、聴覚、身体感覚のどれかが優位になっています。

視覚タイプの人は、集中力を高めるために、視覚を活用するのが有効です。

たとえば、「合格したら沖縄へ旅行する」と決めておき、勉強を始める前に沖縄の風景写真を眺める。すると、それが集中のスイッチになります。

聴覚タイプなら、自分に対する声がけをすること。

「9月9日のTOEICで750点を取る!」などと目標を声に出すことで、集中力がグッと高まるのです。

勉強前に好きな曲を聴いたり、自分にとって心地良いBGMをかけたりするのも効果的です。

身体感覚タイプの人には、脚や指でリズムを刻むことで集中できる人もいます。

また、触り心地の良い文房具やノートを使ったりするのも、集中のスイッチを入れることにつながります。

では、どうすれば、自分の脳のタイプがわかるのか。たとえば、次のようにして見分けられます。

「部屋や机の上が散らかっていると、気が散って集中できない」という人は、視覚タイプの可能性が高いでしょう。

「カフェや電車内など、雑音が多い場所では集中できない」という人は、聴覚タイプの可能性が高い。

「電子書籍ではなく、紙の本をめくりながらでないと、内容が頭に入らない」という人は、身体感覚タイプの可能性大です。

自分がどのタイプかわからなければ、世の中に紹介されているいろいろな集中法を試してみてください。そうすれば、「これならフロー状態に入れる!」という方法が、きっと見つかるはずです。

小沼勢矢(こぬま・せいや)〔株〕プロ・アライブ代表取締役社長
1988年、千葉県生まれ。都内ベンチャー企業でのセールス職を経験し、23歳で起業。その後、日本トップクラスの脳科学コンサルタント石川大雅氏から教えを受け、「実践的脳科学メソッドを体系化したオリジナルメソッドの開発により、3週間で約4,500万円の売上げ達成」などの成果を出す。現在は、コンサルティング、セミナー、会員制サービス、学生教育など、複数の事業を多面的に展開している。著書に『自分の脳に合った勉強法』(フォレスト出版)がある。《取材・構成:塚田有香》(『THE21オンライン』2018年7月号より)

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