2018年11月29日11時時点に神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日28日(水)の米ドル/円は、114.00円台に乗せて2週間ぶり高値を付ける場面もあったが、114円台の滞空時間はわずか30分未満で、その後は一転して113.40円台へと下落する波乱含みの展開となった。パウエルFRB議長が、現在の政策金利は中立レンジを「わずかに下回る」水準にあるとの認識を示した事で米金利の先高感が後退した。パウエルFRB議長は、10月の講演で中立金利(景気を冷ましもふかしもしないニュートラルな金利水準)について「長い道のりがある」と述べていただけに、サプライズの度合いが大きかった模様だ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

FRB議長という立場を考えれば、そうした市場の反応にも頷ける部分はあるが、FRBが軌道修正したとの見方は、やや前のめり過ぎるだろう。パウエルFRB議長は「政策に規定路線はない」として「入手する経済・金融データが何を示唆しているのか丹念に精査していく」とも述べている。いくぶん慎重姿勢へシフトした感はあるものの、スタンスが大幅に修正されたとは思えない。実際に、米国の長期金利は短期ゾーンが小幅に低下した一方、長期ゾーンは小幅に上昇した。この点からもドルの下落余地はそれほど大きくないと考えられ、米ドル/円についても日足一目均衡表の転換線などがある113円台前半はサポートされると見ている。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。