2018年12月12日12時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
中国の劉(りゅう)副首相がムニューシン米財務長官やライトハイザー通商代表と電話会談したとの報道があり、米中貿易摩擦の緩和期待から米ドル/円は113.50円まで上昇。ただし、米ドル/円は依然として112~114円のレンジにあり、来週のFOMCを控えて動きにくい地合いだ。一方、ポンドは英議会のEU離脱協定案の採決が延期されたものの、荒れた展開は続いている。一部報道ではメイ英首相に対する不信任投票実施に必要な保守党議員48人の書簡が集まったとあり、いよいよメイ英首相辞任の可能性が高まってきた。また、明日13日(木)~明後日14日(金)にはEU首脳会議が開催され、ブレグジットについて協議がされるため、マーケットはポンドが主導する展開となるだろう。
現在の為替相場の戦略やスタンス
来週のFOMCを控えて米ドル/円は本日12日(水)夜の米消費者物価指数や14日(金)の米小売売上高を眺めながらの取引となる。FOMCメンバーは突然ハト派にシフトを変更してきたが、最終的にはデータ次第と言っているのでFOMC前にこれらの米経済指標は重要度が増している。特に悪い数字が出たときは、あしもとのハト派スタンスが正当化されるため、ダウンサイドには敏感に反応するのではないかと考えている。一方ポンドは合意なしのEU離脱が視野に入るなか、メイ英首相辞任からの解散総選挙や、EU残留の声まで聞こえており、複数のリスクシナリオが混在している状態だ。EU側との再交渉で英議会を納得させられる条件を引き出せるかどうかメイ英首相にとって正念場となるだろう。戦略としてはポンドショートが第一感になるが、チャートを見ると下がりすぎているので一時的な反発を狙っていきたい。ただ、このチャートで反発しないのであれば、深く下押しする可能性も高い。ここから突っ込んで売っていくには警戒が必要だが、ストップをタイトにしたうえで短期の下値攻めならトライする価値はありそうだ。
井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。