2018年12月14日8時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
発表前に懸念する声が多かったのだが、そのマーケットの懸念どおり、昨日13日(木)のドラギECB総裁のコメントは弱気なトーンに終始した。ドラギECB総裁は経済データが予想より弱かったとし、リスクバランスは「下方向に向かいつつある」と文言を大幅に変更した。最新の経済予測では今年と来年の成長率を下方修正、インフレ率も来年について下方修正している。債権購入プログラムは12月で打ち切ることを確認。このドラギECB総裁のコメントが弱気であったため、ユーロ/米ドルが一時1.1331ドルまで下落するも、マーケットの懸念どおりのコメントでもあったことから、現在は1.1360ドルレベルに持ち直している。
現在の為替相場の戦略やスタンス
一方メイ英首相に朗報な報道が流れる。英国のEU離脱を巡り、EUがメイ英首相に手を差し伸べる可能性が高まっているとのことだ。EUの外交官によると、EU首脳らはアイルランドの国境問題での「バックストップ」条項を巡り、懸念を和らげるための声明を出すことについて協議するとの報道が流れている。これを受け一時反落していた英ポンド/米ドルが1.2645ドルまで持ち直した(安値は1.2610ドル。ブルームバーグのレートより)。英国は合意なき離脱に向けて進んでいるという意見が大半を占めているが、メイ英首相の粘り強い交渉によって、それが避けられる可能性もでてきた。全体的には来週のFOMCを控えて主要通貨は大きな動きはないが、マーケットの視線は英ポンド/米ドルに集中しており、ブレグジット関連の報道に注目したい。
西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。