セリング・クライマックスが近い

米国株の大幅続落を受けて週明けの東京市場も急落しているが、さすがにそろそろ下げ止まる頃だろう。移動平均乖離率、騰落レシオ、RSIなどテクニカル面でも売られ過ぎを示すサインが続々点灯している。25日午前10時現在の日経平均の値、約1万9300円でバリュエーションをみると予想PERでは10倍ちょうど、PBRで1倍をわずかに下回る。上場企業のROEが10%に達している現在、日経平均のPBRが1倍割れというのは異常値である。また、予想PER10倍は過去6年平均から比べて2.9標準偏差下の水準で、同じく異常値である。

先週金曜日も東京市場は全面安となったが、そのなかでTDK(6762)、アドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)、太陽誘電(6976)などの電子部品・半導体関連や、日立建機(6305)、ダイキン工業(6367)、ファナック(6954)などの中国関連の機械株は押し目買いで上昇した。今日も、アドバンテスト、ファナックなどは比較的下げ渋っており、先行して売られた銘柄は底値に近付いていることを示している。先週末の東証の売買代金は3兆5000億円と膨らんでおり、セリング・クライマックスが近いと思われる。

今週の予想レンジは、19200円~2万円とする。

広木隆 広木 隆(ひろき・たかし)マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
上智大学外国語学部卒業。国内銀行系投資顧問。外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任。長期かつ幅広い運用の経験と知識に基づいた多角的な分析に強み。2010年より現職。著書『9割の負け組から脱出する投資の思考法』『ストラテジストにさよならを』『勝てるROE投資術


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