神田氏お勧め「現代を読み解く」本

今、社会で起こっている様々なことや、次々と表面化する問題。それらのベースにあるものは何かを理解し、それをうまく活用するのに役立つ本を紹介する。

『幸せな未来はゲームが創る』

ジェイン・マクゴニガル著 妹尾堅一郎監修 藤本 徹、藤井清美訳
早川書房/3,024円(税込み)

年末からゲームの時代がくる!?

「人々がゲームに魅了されるのは、現実があまりに不完全なせいである」とする著者が、ゲームの理論や技術を現実世界にポジティブに応用する方策を提言。

「2011年に出版された本ですが、今読むと非常にタイムリー。私自身、今年の年末から19年にかけて『ゲーマーの時代』になると予測しています。小学校高学年の頃にポケモンやドラクエなどのRPGにハマった今の30代が、昨年くらいから勢いあるベンチャーを次々立ち上げている。現在の50代や60代は、敵に対して気合いと根性で戦う仮面ライダーやウルトラマン世代ですが、RPG世代は遊びが基本。ゲーム的な思想があらゆる分野に革新をもたらす可能性を提示してくれます」(神田氏)

『日本再興戦略』

落合陽一著
幻冬舎/1,512円(税込み)

新しい体制を生み出す話題の著者

今世界で最も注目される科学者・アーティスト・教育者である著者が、日本が再興するための戦略を政治・経済・技術・外交などの切り口から語る。

「のちほど紹介する『お金2.0』とこの2冊は、今後の日本のアカデミズムを変えるほどレベルが高い著作。落合氏が語る戦略の素晴らしさは、それが机上の空論ではない点にある。彼自身が会社を経営し、大学と対等な立場で契約を結んで共同研究を立ち上げ、従来は無償で研究に参加していた学生に賃金を支払うスキームを確立するなど、既存の体制を覆して次の時代のあり方を探求し続けている。この本を読めば、なぜ彼がこうした活動をするのかが理解できます」(神田氏)