近年、ドローン技術が大きく発達し、誰でも簡単にドローンを購入できるようになりました。プライベートで写真を撮影したり、不動産会社や旅行会社などがビジネスに活用したりと、さまざまなジャンルでドローンが実用化されつつあります。
しかし、ドローンを利用するにはルールを守らなければいけません。今回は、ドローンをめぐる法律や条例の存在を指摘するとともに、一般の人が気楽に楽しむための条件について説明します。
ドローンは航空法や条例などで厳しく規制されている
日本国内において、ドローンの飛行には航空法や各自治体の条例などによる厳しい規制が設けられています。その背景には、2010年代半ばにかけてドローンの普及が進み、日本各地でドローンによって事故やトラブルが相次いだことがあります。
そもそもドローンとは、無人航空機を意味しています。第二次大戦中から開発が開始され、技術の発達とともに実用化が進みました。当初は軍事用であり、偵察や救援物資の補給、あるいは攻撃のために数々の紛争や戦争において役立てられたとされています。農薬散布などの民間利用は、1980年代から2000年代にかけて一気に広まります。
一般の人でもドローンを購入しやすくなったのは、2010年代に入って以降です。ドローンに必要なセンサーやGPSなどの技術が発達したことで、一般的な愛好家でもドローンの操縦がやりやすくなりました。
その一方で、ドローンによる事故・トラブルが相次ぐようになりました。特に大きく報じられたのは、2015年に発生した首相官邸への落下事故および長野県善光寺の事故です。ドローンを活用したテロ、あるいはドローンの故障や誤操作による大事故の可能性もあったことから、急ピッチでドローンを規制する枠組み作りが進められることになったのです。
その結果、2015年の12月に改正航空法(通称「ドローン規制法」)が施行され、多くのエリアや条件でドローンの飛行が規制される結果となりました。また、改正航空法とは別に各自治体でもドローンを規制する条例が設けられました。規制されたエリアで飛行させたい場合は、国土交通省へ許可の申請を出さなければなりません。
ドローンを安全・気軽に使いたいなら「200グラム未満・屋内」
あくまで趣味としてドローンを利用したいのであれば、200グラム未満の機体を購入し屋内で飛ばすのが無難です。そもそも改正航空法で規制の対象となっているのは200グラム以上の機体に限られています。200グラム未満であれば比較的自由に飛ばすことができます。また屋内を対象とした法律・条例は存在しないため、自分の家の室内などで遊ぶ分には問題ありません。
200グラム以上になると、人口集中地区、空港などの周辺、150メートル以上の高さの空域は規制エリアとなります。また日没後の飛行、目視範囲外の飛行などは規制対象となります。特に人口集中地区での規制がやっかいであり、ほとんどの大都市圏はこの人口集中地区に含まれています。国土地理院のホームページから、人口集中地区がどこなのかチェックできます。
大都市に住んでいる人は、ほとんど屋外で自由にドローンを飛ばすことが不可能と考えたほうがよいでしょう。
こうなると、200グラム未満のドローンを利用するのが無難と考えられます。200グラム未満となるとパワーはそれほどありませんが、それでも室内や河川敷などで遊ぶのには十分な機能を有しています。スペックは大型ドローンより劣りますが、プライベート目的であればこうしたミニドローンを購入するのがよいでしょう。
法律・規則を知ってからドローンを購入しよう
インターネット上でも200グラムを超えるドローンが売られており、特に資格がなくても容易にドローンを購入することができます。しかし、単なるおもちゃ感覚でドローンを飛ばしていると、うっかり法律や条令を破ってしまい罰金刑となる可能性もあります。ドローンを購入する前に、少なくとも改正航空法および住んでいる自治体の条例のドローンに関する規定をチェックするようにしましょう。
また、ドローンによる事故にも注意が必要です。報道は少なくなりましたが、毎年ドローンによる事故やトラブルは発生しています。ドローンを飛行させるのはかなり困難であるため、できれば経験を持った事業者やインストラクターの監督の下で練習することをおすすめします。(提供:Dear Reicious Online)
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