働き方改革、相続対策など

株式新聞,働き方改革関連法
(画像=PIXTA)

昨年の国会で成立した働き方改革関連法、改正出入国管理法をはじめ新法・改正法が4月1日から施行される。残業時間の上限規制や外国人労働者の受け入れ拡大などに注目が集まるが、ほかにも相続した空き家の売却に関する税制改正など見逃せない変更点が多い。人材サービスや不動産分野にビジネスチャンスが広がっている。

働き方改革関連法は働き過ぎを防ぎ、労働者の健康を守る労働時間法制の見直しが軸。残業時間に初めて上限を設定したほか、勤務の間のインターバル確保や年5日間の年次有給休暇の取得を義務付けている。

働き方改革は折からの人手不足も相まって、人材サービスやRPA(ロボットによる業務自動化)の需要拡大につながっている。20歳代専門の転職サイト「Re就活」を運営する就活情報の学情(2301)や、中堅企業向けのRPAサービスを展開するRPAホールディングス(6572・M)などに追い風が強まりつつある。

改正出入国管理法では、新たな外国人労働者の在留資格「特定技能1、2号」を設ける。業種ごとに協議会を設けて対応する仕組みで、農業分野では年内に海外で測定試験を実施する方針。実際の適用にはまだ時間がかかりそうだ。

このため、まずは日本で働く準備としての日本語教育などが注目される。ヒューマンホールディングス(2415・JQ)は日本語学校や外国人の人材派遣、求人情報サイトを手掛ける。学習塾の京進(4735・(2))は日本語学校を運営するダイナミック・ビジネス・カレッジ(東京都荒川区)を買収し事業を拡大中だ。

一方、相続ルールも見直された。相続に伴う空き家の譲渡に関し、3000万円の特別控除を受けられる条件が緩和される。

ここで浮上するのが、底地(借地権などの諸権利が付いた土地)などを中心に取り扱うサンセイランディック(=サンセイL、3277)だ。不動産相続に関するコンサルティングや、老朽化物件などの買い取りを行う同社によれば、「(相続に関する)案件数は昨年から増えている。法改正は追い風になる」(サンセイLの経営企画室)。

サンセイLは今12月期の連結営業利益を17億円(前期比6%減)と計画。前期の受注高が前々期比20%増の12.7億円に拡大した勢いを踏まえると、今期の収益予想は保守的とみられる。このほか、青山財産ネットワークス(8929・(2))にも商機となる。

先行きに目を移すと、児童虐待防止に向けた取り組みも注目だ。政府は児童虐待を防ぐ制度を来年4月にも厳格化する構え。今年4月の統一地方選では、各候補者が虐待防止の意欲をアピールしている。関連銘柄はサイボウズ(=CYBOZU、4776)。同社は児童相談所にクラウドサービスを提供するほか、システム化の相談窓口を開設している。(3月27日株式新聞掲載記事)

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