営業では契約に至るまでの交渉、アポイント1回1回が勝負だ。少しでも相手の意図を汲みとり損なうと、そこで命綱は途切れてしまう。しかし、相手の真の悩みを引き出せば、他者の営業とは異なる存在として、懐に入り込むことができる。ケーススタディをもとに、すぐに実践できる心理テクニックとその極意を解説する。

営業ケーススタディ(1)――提案を聞いた社長の退屈そうな表情、そこで発した言葉

社会人3年目の若林心一(25)は採用コンサルタントとして独り立ちの季節を迎えた。15年目のベテランである先輩・及川圭佑(37)に見送られ、とある中小企業の新規営業に出かける。しかし、初めての営業では予期せぬ展開が待っていた。若林の失敗とそれを挽回するための行動から、初回営業で大切にすべき視点に迫る。