インバウンド(訪日外国人観光客)による旅行需要が東京以外の地域に広がりを見せている。中でも大阪や京都など関西の人気が強く、関連株に改めて注目が集まる。

関西空港
(画像=PIXTA)

観光庁の訪日外国人消費動向調査によれば、昨年10~12月に日本を訪れた観光客のうち、大阪を訪れた人は全体の約15.1%。京都は約10.9%となり、奈良(1.5%)を含めた「三都」を合計すると東京(同26.2%)を超える。

中国地方や瀬戸内の観光も関西空港が拠点となるだけに、このエリアにおける経済効果はうなぎ上りだ。大阪は今月下旬にG20(主要20カ国・地域)首脳会議を控えるほか、秋にはラグビー・ワールドカップの日本大会が始まる。中・長期的にも2025年の大阪国際博覧会(万博)、堺市の古墳群の世界遺産登録と集客要素に富み、カジノを含むIR(統合型リゾート)候補地としても有力だ。

一方の古都・京都には直近、菅官房長官が視察に訪れた。その後の会見ではキャッシュレス決済やWiFiといった環境整備の強化を求めている。

大阪・京都の関連銘柄としては、京阪ホールディングス(9045)が本命格に浮上している。同社は京都方面から大阪市中心部を結ぶ中之島線を、カジノの候補地の夢洲まで延伸する計画を打ち出している。鉄道ではほかにも、関西空港から京阪への路線を展開する南海電気鉄道(9044)なども恩恵を受けそうだ。

不動産の高騰も予想されることから、京阪神ビルディング(8818)やダイビル(8806)もマークしたい。また、奈良と大阪を地盤に鉄道やホテルを広く手掛ける近鉄グループホールディングス(9041)も外せない。

穴株としては、秋に京都でホテルを開業する三重交通グループホールディングス(3232)や、民泊関連で手間いらず(2477・M)、燦キャピタルマネージメント(=サンキャピタ、2134・JQ)などが浮上する。このほか、和装小物や着物レンタルを展開する和心(9271・M)も面白そうだ。(6月7日株式新聞掲載記事)

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