6月のFOMC(連邦公開市場委員会)でFRB(連邦準備制度理事会)が利下げモードにシフトしたとの観測が広がる中、マーケットは株高・ドル安と素直な反応を示す場面が見られた。パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で「7週間前の雇用統計は力強く、前回FOMCの時点では米経済やFRBの政策は良好だという感触があった」としたうえで「その後、貿易に関するニュースが心理に影響する重要な要素となった」と述べ、前回FOMCから今回までの間に状況が大きく変わったとの見解を示している。
本来、FRBの利下げは歓迎すべきニュースであるが、ウォール街の市場関係者からは「トランプリスク」を警戒する声も聞かれるなど先行きに対する不透明感は否めない。そこで今回はFRBの利下げ観測を巡る状況を整理しておきたい。