あおぞら銀行(元日本債券信用銀行)が7月16日、新しいスマホサービス「BANK」を始めた。BANKの特徴は、同行によれば、普通預金の金利が0.2%(税引き前)と業界一であるほか、事前に目標を設定しておくことで自動的にお金を貯められるサービスなどが含まれる点だ。馬場信輔社長はコンセプトについて、「素晴らしい人生のためのマネーサービス。SIMPLE×SPEED=SMART。まさに大人のためのスマホ銀行」などと説明した。

バルミューダ取締役の勝部氏がクリエイティブディレクター

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BANKをアピールする馬場信輔社長(右)(写真=ZUU online編集部)

サービス開始の記者発表会は東京・銀座のGINZA SIX内、銀座蔦屋書店で行われた。冒頭、馬場信輔社長が同行のなりたち、概要を説明した。

同行は1957年に日本不動産銀行として設立。77年に日本債券信用銀行となった。経営破たんして98年には国有化されたが、2000年に再民営化、2006年に普通銀行になっている。公的資金は2015年に完済しており、現在は東証1部上場、総資産(連結)は約5兆円、従業員は約2200人。全国に20本支店を持つが自前のATMはなく、ゆうちょ銀行、セブン銀と提携しているという。

会見では、サービス開発のリードしてきた中井剛・リテール戦略部長がBANKのポイントを紹介。それによると「普通金利が年0.2%」「デビットサービス(BANK The Debit)のキャッシュバックは最大1%」「目標とルールを決めておけば、買い物するだけでお金を貯められる自動積立貯金箱(BANK The Savings)」のほか、人生を豊かにする、気づきのあるストーリーを記事形式で紹介するという(BANK The Stroy)。なお普通預金の金利年0.2%は今のところ、条件や期間などは設けていない。

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会場では「BANK」のデモ体験会も行われた(写真=ZUU online編集部)

同サービスにクリエイティブディレクターとしてコンセプト決定から関わった勝部健太郎氏(ユニット・ワンCEO、バルミューダ取締役)も出席、中井氏とのトークセッションで、バルミューダが高価格のトースターや扇風機を発売したことを例に、「バルミューダは新しいマーケット、新しいスタンダードを生んだ」と述べ、BANKが金融サービスで新しいスタンダードとなるという抱負を述べた。

「BANK」という名称も提案したという勝部氏は、「金融業界ではAIの活用やリストラが盛んに話題になっているが?」と水を向けられ、これに対して「成功するには皆と反対を行くこと。AIがトレンドだからこそ『人と人』というコンセプトが大事」と回答。さらに「ネットという非対面の世界で『人と人』のつながりを生むにはどうしたらいいか」と問われると「(差を生むのは)ネタです。商品でありサービス。本当に役に立つ商品・サービスを提供することで、顧客と起業がお互いに外せない存在になれる」などと訴えた。

同行は昨年、GMOインターネットグループとの合弁でGMOあおぞらネット銀行をつくっているが、こちらはイーコマース事業者を中心に決済サービスの提供が主であり、預金の金利や貯金機能などが目玉のBANKとは別物との認識だという。

会見後、馬場社長、中井部長は記者団からBANKの口座目標について問われ、「今と同じ口座数の規模を数年で実現したい」「特に既存の口座保有者の振り替えを促す予定はない」と述べた。口座はAndroid、iOS用それぞれに用意されたアプリをダウンロードした後、運転免許証などの書類をネットでアップして開設できる。印鑑は不要。BANKのアプリは口座開設とはまた別に用意されている。