バリュー投資家として有名なウォーレン・バフェット氏は、経済や企業の不確実性に耐えうるような、信頼のできる企業に好んで投資する。バークシャー・ハサウェイ (NYSE:BRKa) (NYSE:BRKb)の4-6月期(第2四半期)決算報告によれば、同社の保有現金は1220億ドルと急増しており、個人投資家や市場から最新のポートフォリオへの関心が高まっている。

バフェット氏の率いるバークシャーのポートフォリオは、投資家にとってお手本として考えられている。

バフェット氏はこれまでアメリカン・エキスプレス・カンパニー (NYSE:AXP)などの金融銘柄やコカ・コーラ (NYSE:KO)などの優良銘柄に投資してきたが、近年はアップル (NASDAQ:AAPL)の大幅な買い増しに見られるように、ハイテク銘柄の買いも進めている。これは彼の投資スタイルが変わってきていることを示しているのだろうか。

バフェット氏を除き、その答えを知る者は存在しないが、8月15日にはバークシャー・ハサウェイは13Fファイリングを公開する。これは米証券取引委員会(SEC)が四半期ごとに提出を要求する報告書で、1億ドル相当を超える株式資産を保有する投資機関が対象となっている。

公開に先立って、我々はこの四半期におけるバフェット氏のポートフォリオの変動を予想した。

ポートフォリオ入り:マイクロソフト

過去3四半期の報告ではいずれも、驚愕に値する新しいポジションが見られた。2019の第1四半期では、バークシャーはアマゾン・ドット・コム (NASDAQ:AMZN)をポートフォリオに加えた。また2018年第4四半期では、サンコアエナジー (NYSE:SU)、レッド・ハット(2018年10月にIBMにより買収)、ストーン(NASDAQ:STNE)が追加された。この流れを踏まえると、マイクロソフト (NASDAQ:MSFT)が今期新たにポートフォリオに加えられたとしても不思議ではない。

BRKb Weekly vs SPX vs MSFT 1998-2009
(画像=Investing.com)

バフェット氏は一時ハイテク銘柄を避けることで知られていたものの、近頃はその手法を改めている。バークシャーは最近アマゾンに最近8億6000万ドル投資し、またアップルへの投資額を470億ドルと、同氏のポートフォリオの中で最大のものとした。今のところ、同氏はハイテク銘柄の投資で判断ミスを認めているのはたった一度のみである。同氏は買い持ちポジションを好む傾向があるものの、オラクル(NYSE:ORCL)の株はわずか3ヶ月も経たないうちに手放している。

バフェット氏は比較的低リスクな選択肢をとることで知られており、その点マイクロソフトは最も低リスクなハイテク銘柄であり、同社株を購入するのは理にかなっているように思える。マイクロソフトの最新の4-6月期決算(第4四半期)報告によれば、同社は全面的に成長しており、市場においても独占的な地位を確立している。そしてこのことは恐らく、バフェット氏が投資先を選ぶにあたって最も需要な基準であると考えられる。

買い増し:JPモルガン、アマゾン

バフェット氏はオラクル株を売却する際、アマゾンやマイクロソフトのクラウド・ビジネスでの功績について「素晴らしい」と述べており、このことは同氏のその後の行動を示唆していた。同氏はその発言後、アマゾン株を購入している。同氏は頻繁に業界でトップであることの重要性について述べていた。そのことが同氏にとって関心の対象であるならば、今期に同氏がアマゾン株を買い増しするのは確定的だろう。業界トップの銘柄に関して言えば、バフェット氏は銀行などの金融銘柄を好んでいる。現在同氏のポートフォリオでは金融銘柄が45%を占めており、また同氏の保有する3大銘柄のうち2つは金融銘柄だ。同氏のポートフォリオでは、最大の比率を占めるアップルに次いで第2位がバンク・オブ・アメリカ (NYSE:BAC)、第3位がウェルズ・ファーゴ・アンド・カンパニー (NYSE:WFC)となっている。またウェルズ・ファーゴのスキャンダルが明るみになって以降、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー (NYSE:JPM)への投資が進められている。JPモルガンは株価収益率(PER)が11倍、配当は約3%であり、バフェット氏はこれらの指標を重視することで知られており、JPモルガンの買い増しは至極自然であるように考えられる。

部分売り:アップル

過去数年に渡りバフェット氏はアップルの株を470億ドル相当入手してきている。にもかかわらず、同氏が同社株を手放さなければならない理由は何だろうか。同氏のポートフォリオではアップルは24%を占めており、同氏がアップルに過剰な投資を行ったと認識することは間違いないだろう。また、同氏はアップルが収益を上げる確信がないから売るのではなく、投資が過剰になったために売るのであり、これは一般的なリスク管理の手法と一致するものである。

同氏のポートフォリオでアップルに続く2番目のポジションはバンク・オブ・アメリカであり、これは全体の12%を占める。また、同氏の保有する銘柄はこの2大銘柄を除きいずれも10%を切っている。したがって、仮にバフェット氏がアップルの株を一部売ったとしても、過剰に反応する必要はない。同氏は以前、長期投資において、リスク管理以上に重要なことはないと述べている。

売り:フィリップス 66

2016年の第3四半期では、バークシャーはフィリップス66 (NYSE:PSX)の株式を約8100万株保有していた。これは現在の価値に換算すると64億ドル相当となるが、2018年の第1四半期以降は同社株の売りが始まり、前期には保有するうち50%の株式を売却した。そして現在ではバークシャーは500万株しか保有しておらず、その価値は5億ドルをわずかに超える程度である。バフェット氏は以前オクシデンタル・ペトロリアム (NYSE:OXY)に対し100億ドルの投資をすることで合意しており、これにより同氏は8%の配当に相当する8億ドルを毎年獲得することとなる。同銘柄を新たに得たことにより、同氏がポートフォリオからフィリップス 66の株を完全に取り除くためのハードルは下がったのではないかと考えられる。(提供:Investing.comより)

著者: クレメント チボー