国内最大のゲームイベント「東京ゲームショウ2019」が12日に始まる(15日まで)。人気シリーズ「モンスターハンター(モンハン)」の最新作「アイスボーン」を6日に上市するカプコン(9697)は、ベールに包まれた別の大型タイトルの試作も披露する。eスポーツに関するパネルディスカッションも見逃せず、参加企業に大きな関心が集まりそうだ。

東京ゲームショウ
(画像=thebigland / Shutterstock.com)

東京ゲームショウは1996年の初開催以降拡大を続け、今回は国内350社が出展を予定する(8月28日時点)。任天堂(7974)が初参戦した昨年の出展社数338を上回る規模となり、来場も昨年の29万人を超えて30万人台に乗せる可能性がある(公式見通しは25万人以上)。

今年の出展タイトルは1368作(昨年は1322作)が見込まれる。スクウエア・エニックス・ホールディングス(=スクエニHD、9684)が来年発売する「ファイナルファンタジー7 リメイク」をはじめ、多くの話題作をユーザーが初めてプレーする機会となる。

中でも注目されるのがカプコンだ。モンハンは現行の「ワールド」が全世界で1300万本を出荷する大ヒットを記録。そのアップデート版に当たるアイスボーンも高い期待を背負う。一方、モンハン以外の大型作についてはこれまで明確にされていなかったが、直近になり新規プロジェクトとして訴求を始めた。

これについては、10日に開発映像が公表される見通し。市場では、同社の別の人気シリーズ「バイオハザード」に関するものではないかとささやかれている。1月には過去に出した「バイオハザード2」のリメイク作を発売して好評を得たが、仮にオリジナルの最新作が投入されるとなると反響は一段と大きくなる公算。東京ゲームショウではデモを試遊できるという。

カプコンの株価は今3月期第1四半期の好内容(8月1日発表、連結営業利益は前年同期比51%増)をきっかけに騰勢を強め、足元も高原状態で推移している。ゲームショウを受け一段高し、昨年8月に付けた上場来高値の3045円を一気に上抜く展開も想定される。

また、スマートフォン用アプリの顔触れも見逃せない。カプコンがガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)と共同開発し、8月に投入した「TEPPEN(テッペン)」は、「ストリートファイター」など豊富なキャラクターを活用した新機軸のカードゲーム。コーエーテクモホールディングス(3635)も、海外向けでヒットを放ったタイトルの最新作「仁王2」を公開する。

eスポーツをめぐる動きも注目される。経済産業省は一般社団法人・日本eスポーツ連合(JeSU)とともにeスポーツの発展に向けた検討会をこのほど立ち上げた。海外で普及しつつあるeスポーツを対象としたスポーツ賭博の規制緩和への思惑も出ている。

ゲームショウではJeSUによる講演会も予定され、株式市場でも注目が集まる。そこで浮上するのがメダル貸し機のオーイズミ(6428)。同社は子会社がゲームを手掛け、会場で紹介される対戦アクションゲーム「リーサルリーグ・ブレイズ」は、eスポーツと相性がいい。カジノ関連株として知られる銘柄だが、この分野でも人気化する可能性がある。

このほか、eスポーツに絡んではコナミホールディングス(9766)やMCJ(6670・(2))、ピクセルカンパニーズ(2743・JQ)などもマークしたい。(9月6日株式新聞掲載記事)

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