11月22日(金)、東京ベンチャー企業選手権大会のファイナルが行われた。本イベントは、東京都の後援を受け、「東京都からユニコーン企業を創出する」をスローガンに実施。

ファイナルには140社を超える応募企業の中から、書類選考、2次選考を経て選抜された16社が出場し、各社が熱のこもったプレゼンテーションでしのぎを削った。

審査は、「市場性」「社会性」「成長性」「新規性」「収益性」の5項目に、「熱意」や「チーム」などといった点も加えて行われた。審査員は、東京ユニコーンプロジェクト運営委員会の発起人である有限会社ロッキングホースの代表取締役 森部好樹氏や株式会社きらぼし銀行の取締役頭取 渡邊壽信氏らに加えて、株式会社ZUUの冨田和成代表も名を連ねた。

ファイナルにはAI、エアモビリティなどの最新技術から障害者雇用、保育など幅広い分野で事業を行う企業がそろい、各社がユニークな事業モデルや技術を備えていたことから、審査は難航し、急遽特別賞が設けられるほどの熱戦となった。

ヒューマンライフコード社が最優秀賞に選出

ZUU online編集部
(画像=ZUU online編集部)

この熱戦を制し、最優秀賞を獲得したのは ヒューマンライフコード株式会社 。

同社は、ヘソの尾(臍帯)および臍帯血由来の血管を再生する細胞を有効活用して医薬品を開発し、提供する事業を展開。現在の細胞治療は骨髄を使用している場合がほとんどだが、臍帯はお産後に従来であれば廃棄されていたものを再利用するという。

優秀賞には EAGLYS株式会社株式会社Zpeer の2社が選出された。

ZUU online編集部
(画像=ZUU online編集部)

EAGLYSは、暗号化した状態でデータ計算を行う秘密計算という技術を開発。セキュリティを高めながら、利便性向上とコスト削減を実現し、企業のデータ活用を促進する事業を展開している。

ZUU online編集部
(画像=ZUU online編集部)

Zpeerは、今後8年間で中国、インドなどを中心に成長し7兆円規模になるアニマルヘルス分野で事業を展開。世界最大の獣医師向けWEBプラットフォームを目標としている。

ZUU online編集部
(画像=ZUU online編集部)

急遽設けられた審査員特別賞には 株式会社AnchorZ が選出された。同社は顔や声、しぐさなども含めて認証を行うバックグラウンド認証という技術で、特許を取得しており「『セキュリティが心配』という言葉をなくす」ことを目指しているという。

小池都知事「ベンチャー企業をお手伝いしたい」

ZUU online編集部
(画像=ZUU online編集部)

表彰式に訪れた小池都知事は、近年、世界の都市間競争が激化していることに言及。森記念財団が毎年発表している世界都市ランキングにおいて、東京が現在、ロンドン、ニューヨークに次いで3位に位置することに触れ、「首都東京が世界で揺るぎない地位を世界の中で築かないと日本経済にも影響がある」と語った。

また、このランキングにおいて全体で3位という位置にあるものの、スタートアップ環境のスコアにおいては、1位のロンドン、2位のニューヨークと比べて、東京は24位と大幅に順位が落ちていることを指摘。

その上で、「今日プレゼンをした皆さんもその志と技術と世界制覇への夢を叶えるために、東京都はお手伝いをしたい。そして、しっかり法人税を払っていただきたい」と語り、会場から笑いを誘った。

フィナリストとなったのは以下の16社(五十音順)