第19回目のゲストは石川康晴氏(株式会社ストライプインターナショナル代表取締役社長)

石川康晴氏は、アートを愛する経営者として有名だ。最近は『学びなおす力 新時代を勝ち抜く「理論とアート」』(著:石川康晴、発行:株式会社PHP研究所)が出版され、大きな話題を呼んでいる。雑誌に寄稿していた2年間の連載がまとまった本書には、ビジネスパーソンがアートに触れることの重要性を示唆する。

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「地域芸術祭と一線を画すアートサミット『岡山芸術交流』」

石川氏のアートの楽しみ方は、観賞、コレクションだけに留まらない。2016年には地元岡山県で「岡山芸術交流」というアートサミットを開催し話題となった。今年2019年にも第二回の開催が行われる。近年、数多くの地域芸術祭が行われている日本だが、石川氏はそのような芸術祭とは一線を画し、岡山芸術交流を「展覧会」と呼ぶ。参加アーティストの多くはコンセプチュアルアートを扱い、世界で活躍をしている。今年は、アーティスティックディレクターにフランス出身の作家ピエール・ユイグ氏が招かれたことが話題となった。

必見!石川氏が伝授するアート作品の鑑賞方法

アートは見るものでなく考えるものである
一つのアート作品の前で30分間ぼーっとする見方をみんなに伝えたい

単に見るという行為で終わってしまうのではなく、「見る」という行為を通して「考える」ことが大切なのだと石川氏は語る。好きになれない作品を無理に30分見る必要性はないが、1作品でも気になる作品が見つかれば、まずは30分間ぼーっと鑑賞することから初めてみるのも良い。
また、石川氏はビジネスや人生において「一呼吸置く」ということを大切にしている。そうすることで、何度考えても出てこなかったアイディアがふと出てくることがあるという。石川氏にとって思考能力を高められる「アート」は一呼吸を置くのに最適な方法なのだ。

一鑑賞者からコレクターへ

40代になって初めてこれは面白いなと思ったのは、河原温さんです。僕はその背景とかを考えるうちに、こんなミニマルなものが世の中にあるんだと思って。初めて鑑賞者からコレクターになるきっかけになったのも、河原温の1月から12月までの12枚の『デイトペインティング』なんです。

22歳の頃からフランスとイギリスに仕事で訪れていたという石川氏、ポンピドゥー・センター、テート・ギャラリーで現代美術やデザインの個展を見ていたという。最初は、アンディ・ウォーホルのポップアートに刺激を受けたそうだ。その後、美術鑑賞の経験も重ね40代になった時に、河原温の作品に心打たれたと語る。

地元で国際的な美術展を開催してしまうという石川氏のその類まれな発想とその実行力は、アートと一緒に一呼吸置くことでつくられていくのかもしれない。本編では、他にも興味深い話題が盛り沢山。是非じっくりと石川氏のインタビューを拝見していただきたい。

後半は「あいちトリエンナーレ」について

いたるところで話題となった芸術祭「あいちトリエンナーレ」。ZUU online の読者の方々もテレビやネットで一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。ジャーナリストの津田大介監督が芸術監督を務め、話題となった芸術祭である。

TokyoTrashでは特別ゲストとして仲俣暁生氏(文筆家)と、仲俣氏の教え子でもある田中直子氏(YYARTSアシスタント、東京藝術大学大学院生)を招き、本番組のパーソナリティーを務める山口裕美氏が「あいちトリエンナーレがとても面白い作品が多く、違う話題になっているのはもったいない」ということで、プレス内覧会で気になった作品を丁寧に解説。写真と映像で紹介する特集となっている。こちらも必見だ。

● 学びなおす力 新時代を勝ち抜く「理論とアート」 著者:石川康晴著 《(株)ストライプインターナショナル代表取締役社長》
税込価格:940円(本体価格870円)
出版:株式会社 PHP研究所 

● 岡山芸術交流2019
IF THE SNAKE もし蛇が
会期:2019年9月27日~11月24日
会場:旧内山下小学校、旧福岡醤油建物、岡山県天神山文化プラザ、岡山市立オリエント美術館、岡山城、シネマ・クレール丸の内、林原美術館ほか
料金:一般 1800円 / 一般(岡山県民) 1500円 / 学生 1000円 / 65歳以上 1300円 / 高校生以下無料

● あいちトリエンナーレ2019
会期 2019年8月1日~10月14日
会場 愛知芸術文化センター、愛知県美術館、愛知県芸術劇場、名古屋市美術館、名古屋市芸術創造センターほか
住所 愛知県名古屋市東区東桜1-13-2(愛知県美術館)
電話 052-971-6111(愛知芸術文化センター)
開館時間 会場によって異なる
休館日 会場によって異なる
観覧料 [1DAYパス]一般 1600円 / 大学生 1200円 / 高校生 600円[フリーパス]一般 3000円 / 大学生 2300円 / 高校生 1100円
URL http://aichitriennale.jp

(提供:Tokyo Trash