新型コロナウイルスの広がりは、世界市場にも大きな影響を与えている。3月に入ってダウ平均株価が過去最大の下げ幅を記録するなど、“コロナショック”は収まる気配がない。だが、株安は投資を始める好機と捉える見方もできる。伝説の投資家、ウォーレン・バフェットの行動哲学から今だからこそ学びたい投資術を紹介する。

儲けのためだけに投資をしない

ウォーレン・バフェットという人物がいます。バフェットは世界的にその名が知られるアメリカの投資家・慈善事業家で、1979年以来、世界長者番付の常連です。2017年は資産総額756億ドル(日本円で約8兆2000億円)で、ビル・ゲイツに次いで2位でした。

しかし、彼のすごいところはここから。億万長者にもかかわらず郊外の質素な家に住み続け、収入の大部分を慈善事業に寄付しているのです。このことから、彼は生まれ故郷の名を冠されて「オマハの賢人」と称されています(現在でも彼はネブラスカ州オマハに在住)。

彼の投資術には特徴があります。短期的な利益を求めず、長期的な利益を得ることに終始しているのです。コカ・コーラ、ワシントン・ポスト、アメリカン・エキスプレスなど、グローバル企業の株式を数十年も保有していますが、彼が株式を取得する時は当該会社の経営危機であることも少なくありません。このことから、彼は儲けのためだけに投資をしているのではないということが分かります。そして、このような彼の投資への理念が、彼を世界に名だたる投資家に押し上げているのでしょう。

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世界的な投資家・ウォーレン・バフェットの行動哲学「5年後…」(2019/11/13公開)

重視するのは企業のブランド

バフェット氏の投資実績を知ることはもちろん重要だが、根本的な考え方を知ることで、「なぜその投資を行ったのか」「どのような根拠を基に利益を確信したのか」といったバフェット氏の思考原理を自分なりに解析できるようになるだろう。

(中略)

1990年代になるとマーケティングにおけるブランドの重要性はますます高まり、ブランディングの強化戦略へと関心が向けられていく。どの企業も「どうやって強いブランドを作り上げるのか」、「自社のブランドの『本質的意味と価値』とは何か」を追求し始める。

企業のブランドを理解するには、ブランドが構築されるための段階的な構造を知らなければならない。基本となるのは優れた製品力、つまり製品の競争優位性だが、そこに消費者の感覚的な価値が上乗せされていき、さらに商品の価値が企業のイメージも高めていく。こうして企業は強力なブランドを確立していくのだ。

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【第5回】ウォーレン・バフェット流投資術「ブランドマネタイズ(2018/11/21公開)

退屈な投資がもたらす驚異的なリターン

1962年12月12日、ウォーレン・バフェットは、バークシャー・ハサウェイ(ティッカー:BRK.A)という経営難に陥った紡績会社の株式を買いました。56年を経た現在、バフェットと彼の右腕のチャーリー・マンガーは、同社を様々な事業と5,000億ドル以上のポートフォリオを保有する投資会社に変身させました。バフェットとバークシャーとの56年間は、おそらく最も成功した長期投資であり、私たちはそこから多くのことを学ぶことができます。

(中略)

おそらく、バークシャーの歩みから学ぶべき最も重要な教訓は、バイ・アンド・ホールド投資の素晴らしい力です。半世紀以上にもわたるバフェットの投資の中で、手っ取り早いホームランのような成功はあまり多くありません。この50年間にあった急成長産業への投資機会の多くを、彼は逃しています。

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ウォーレン・バフェットとバークシャー・ハサウェイの56年の歴史(2019/01/14公開)

ある3銘柄を保有し続ける理由

ウォーレン・バフェットは、世界で最も優れた投資家です。バークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK.A)(NYSE:BRK.B)のCEOでもある彼は、毎年何千人もの株主をオマハに呼びよせ、最新の洞察を株主に報告しています。

しかし、バフェット自身が言うように、投資に関しては、言葉よりも行動が重要です。ですから、バフェットの投資行動を見ることは、賢明な投資アイデアを探している投資家にとってはよい勉強になります。

(中略)

最新のレポートの時点で、バフェットはバークシャー・ハサウェイの資金のうち1,350億ドルを、わずか3株に投資しています。以下では、彼がこれら3つの銘柄を保有し続ける理由について見ていきます。

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【米国株動向】ウォーレン・バフェットが2020年に購入するトップ銘柄3選(2020/02/12公開)

投資に対する10の英知

米金融大手バークシャー・ハサウェイ社のウォーレン・バフェット会長は、毎年投資家に宛てた書簡の中で、同社の短期および長期的な業績の原動力を説明してきた。これらの業績の数値は、最新の会計基準、現在の投資環境、バークシャー社の継続的な成功を支えている「アメリカへの追い風」との関連で説明された。

(中略)

「時折、市場で大幅な下落、恐らく50%以上の規模があるだろう。しかし、アメリカン・テールウィンド(追い風)とアダム・スミス氏が述べた驚異的な組み合わせにより、株式は長期的に見れば、借り入れをせず、感情をコントロールできる個人にとって、はるかに優れた選択肢となるだろう」と語った。

(中略)

バークシャー社は、「常に3つの基準を満たす新規事業を買収しようとしている。第1に、業務に必要な正味の有形資本から十分なリターンを得なければならない。第2に、有能で誠実な経営者によって運営されなければならない。最後に、合理的な価格で買収できなければならない」。

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大富豪ウォーレン・バフェット氏からの投資への秘訣(2020/03/05公開

先の見えない時代だからこそ

バフェットは世界的な大富豪でありながら、質素な家に住み続け、財産の大半を慈善事業に寄付している。彼の生き方は誰もが真似できるものではないが、成功者の投資に対する考え方を学び、実践することは可能だ。先が見えない時代だからこそ、コツコツと財産を積み上げていきたい。