アルファロメオが創立110周年を記念したスペシャルモデル「ジュリアGTA」を発表! 車種展開は公道バージョンの「GTA」とサーキット志向の「GTAm」を設定

フィアット・クライスラー・オートモビルズ(FCA)の1部門である伊アルファロメオは3月2日(現地時間)、同ブランドの創立110周年を記念した限定モデルで、ジュリア・クアドリフォリオの高性能バージョンとなる「GTA」、およびサーキット走行向けの「GTAm(mはモディファイドの頭文字)」を発表した。3月6日から現地での予約受注を開始し、販売台数は2仕様合わせて500台の限定だ。ちなみに、初代ジュリアGTAは1965年にデビューし、1966~69年にかけて4年連続で欧州ツーリングカー選手権を制するなど、モータースポーツの世界で大活躍した伝説的なモデルである。

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▲写真はサーキット走行向けのアルファロメオ・ジュリアGTAm。公道バージョンのGTAと合わせて500台限定で発売する。パワーユニットには540psを発生する2.9リットルV型6気筒DOHCツインターボエンジンを搭載

 GTAのAはイタリア語の"Alleggerita"の略で、日本語では"軽量化"を意味する。この車名が示す通り、新型GTAは車両重量の徹底した軽量化が図られた。エンジンやドア、サスペンション部材には軽量なアルミニウム材を採用。また、ドライブシャフトやフロントフード、フロントバンパー、フロントホイールアーチ、ルーフ、リアホイールアーチインサートなどはカーボンファイバー材で仕立てる。さらに、内装パーツの一部簡略化も実施。結果として、後述する専用エアロパーツを装着しながら、車重はベース車比100kg減の1520kgを実現した。

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▲外装にはF1でタッグを組むザウバーエンジニアリングと共同開発した「ザウバーエアロキット」を採用した

 外装面ではエアロダイナミクス性能の向上を徹底追求し、専用デザインのサイドスカートやリアスポイラー、アクティブフロントスプリッターなど、F1でタッグを組むザウバーエンジニアリングと共同開発した「ザウバーエアロキット」を組み込んだことがトピックだ。また、アクラポヴィッチ製のチタンエグゾーストシステムはカーボンファイバー製のリアディフューザーと一体化してアレンジ。足もとにはセンターロック式の専用20インチホイールを組み込む。さらに、前後のトレッド幅を50mm拡大し、同時にサスペンションのダンパーおよびスプリング、ブッシュ類のセッティングを徹底的に見直して、ハンドリング性能とトラクション性能を大幅に高めた。

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▲GTAmはリアシートを取り払って2シーターとしたうえで、レッドカラーのロールバーを設置。消火器を置くスペースも用意する

 搭載エンジンはベース車の2.9リットルV型6気筒DOHCツインターボをチューンアップした専用ユニットで、最高出力はベースユニット比+30psの540psを発揮。パワーウエイトレシオはクラストップレベルの2.82kg/psを達成する。また、0→100km/h加速は3.6秒を実現した。

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▲ダッシュボードやドアパネル、グローブボックス、サイドピラーなどの表面にはアルカンターラを張る

 インテリアについては、ダーク系カラーにレッドのアクセントを施し、また表面の素材にアルカンターラを多用したことが特徴だ。一方、GTAmはリアシートを取り払って2シーターとしたうえで、レッドカラーのロールバーを設置。リアシートのあった場所には、ヘルメットや消化器を収納するスペースを配する。シートにはカーボンファイバーシェルのバケットタイプを装着し、サベルト製6点式ハーネスも特別装備した。

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▲GTAmはグレード名のロゴを配したカーボンファイバーシェルのバケットシートを装着。サベルト製6点式ハーネスも装備する
Writer:大貫直次郎

(提供:CAR and DRIVER