新型コロナウイルスによる実体経済へのダメージは、深刻化し続けている。米国ではロックダウンが実施され、失業者は増加し、企業の収益は低迷している。

しかし、新型コロナウイルスがピークアウトしつつあるとの期待感から、米国株式市場は値を上げている。

S&P500指数は9日に3.4%高となり、3月23日の安値から20%高となった。本稿では、強気相場に入りつつある米株式市場において、アウトパフォームする可能性の高い3銘柄を紹介する。

1.エヌビディア

2019年に76%高となったエヌビディア (NASDAQ:NVDA)は、半導体セクターにおいてアウトパフォームしている。同株は2月の最高値から15%安となり、9日の終値は266.95ドルとなっている。

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エヌビディア週足チャート(画像=Investing.com)

新型コロナウイルスによる半導体需要の減少は免れない。しかし、アナリストは同社の堅調なバランスシートやキャッシュフロー、製品に注目している。

Needham社は先月、医療用や人工知能に用いられる半導体の需要増を見込んで、同株を買い推奨へと上方修正した。

Susquehanna Financial Group社は同株の目標株価を10ドル上方修正して330ドルとし、「企業による需要は依然として堅調であり、供給制限は基本的には緩和されている」と述べた。さらに、テレワークの流行に対して、半導体の「需要を助ける」と語った。

2.アップル

アップル (NASDAQ:AAPL)は、新型コロナウイルスによって、株価が大打撃を受けた。1月29日の最高値である327.85ドルから、3月23日には35%安となった。

しかし、市場が反発し始めると同株もまた反発し、3月の安値から約25%高となった。9日の同株は2.56%高の266.7ドルとなった。

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アップル週足チャート(画像=Investing.com)

新型コロナウイルスの影響で、同社は中国におけるサプライチェーンの混乱など、いくつかの課題を抱えている。例えば、中国以外のアップルストアは追って通知があるまで閉鎖されており、米国の多くの地域では4月末まで社員が自宅待機となっている。

また、アナリストは、新型コロナウイルスの影響で5G対応iPhoneの発売が遅れることを懸念している。

しかし、これらの課題は今後数四半期の決算に影響を与える可能性はあるが、一時的な問題である。同株の魅力は、大規模なイノベーションエコシステムと莫大な現金である。

エバーコアISIのアナリストであるAmit Daryanani氏は先月、現金を大量に保有する同社は「不況を乗り切るために最適なポジションにいる」と述べた。同社は「当社が知る中でアップルは、最大級に現金を保有している」と語った。同社は現金を2070億ドル保有する一方、短期長期負債が合わせて1080億ドルとなっている。

3.ホーム・デポ

ホーム・デポ (NYSE:HD)は、新型コロナウイルスによる景気後退を乗り越えられる可能性が高い。

新型コロナウイルスの流行前、同社は110億ドルを投資して店舗の近代化やオンラインの強化、サービスの向上に取り組んできた。したがって、新型コロナウイルス終息後、同社の既存店売上高が急回復する可能性は十分考えられる。

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ホーム・デポ週足チャート(画像=Investing.com)

また、堅調な米住宅市場は、同社の業績を下支えするだろう。低い借入コストが住宅価格を押し上げ、住宅の改装への支出が増加すると見られる。

さらに、同社は安定して配当を支っている。四半期配当額は過去10年間で380%増、配当性向は42%となっている。

同社の配当利回りは3.12%、年間配当額は6ドルである。同株は年初来で11%安の194.82ドルとなっている。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス・アンワル