ゼロクーポン債は、「割引債」や「ディスカウント債」とも呼ばれ、その名のとおり、額面金額より割り引いて発行される、利息がゼロの債券のことをいう。これは、利息が支払われない(クーポンがない)代わりに、発行時に額面金額より低い価格で発行され、償還時に額面金額で償還されることで、発行価格と額面金額との差(償還差益)が債券投資の収益となる。例えば、額面金額100万円のゼロクーポン債を99万円で購入した場合、差額の1万円が収益となる。現在、日本において、この形式で発行されている債券には、割引国債、割引金融債、国庫短期証券などがある。一般に、海外で発行される「割引債」のことを「ゼロクーポン債」と呼ばれることが多い。また、アメリカで発行されるストリップス債は、割引債となる。なお、ストリップス債とは、債券の元本部分と利札部分(クーポン)が分離し、それぞれがゼロクーポン債として流通している債券を示す。