2020年7月7日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

現在は、夏休みにはまだ早すぎるが、動かない相場だ。米ドル/円の日足チャートを見ると上値が重たくなりつつあると感じている。しばらくの間、ローソク足が雲の中にとどまっており、雲の下限を意識しているような値動きに見えていたが、ようやく雲を下抜けた。また本日7日(火)段階では、ローソク足のすぐ上、107.57円付近に90日移動平均線が位置しており、雲下限は107.65円付近。米ドル/円が動かない中、混乱する香港だが、トランプ米大統領は香港問題を見過ごす訳にはいかない。となると、米中の貿易摩擦もそう簡単には解決しないだろう。また、世論調査による支持率では、バイデン氏がトランプ氏に10ポイントほどリードしている。実際にトランプ氏の再選がないとなると資本市場に対してネガティブな影響にならざるを得ないため、現在はドルを元気よく買えない状況だ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは106.50~108.50円。戦略的には売り先行で、引き付けて売りたい。具体的に売っていいのは107円台後半から108円台後半で、それを106円台のミドルにかけての買い戻しを考えている。GPIFが外債投資の比率を高めるとしたこともあり、106円台ではおそらくGPIFの買いが出てくるだろう。よって106円台ミドルに欠けては底堅い動きが考えられる。そのためあまり突っ込んでは売らないように注意したい。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。