ボーイング (NYSE:BA)は新型コロナウイルスによる下落から、反発しつつある。3月中旬に100ドルを下回って急落した後、約50%高となっている。

Investing.com
ボーイング週足チャート(画像=Investing.com)

この反発は、同社にとって最悪の事態が終わったことを示唆しているのだろうか。今、同社に投資すべきなのだろうか。

これらを見極めるために、いくつかのシグナルがある。

まず、2019年2月以降で時価総額が半分となった同社の再建計画は、上手くいかないだろう。同社にとって最大のリスクは、依然として航空便を妨げる新型ウイルスである。

新型ウイルスの治療法が確立されなかった場合、多くの航空会社は倒産に追い込まれ、航空機の納入契約は反故になるだろう。国際航空運送協会の推計によると、航空会社が黒字化するのは2020年になる見込みである。

米政府の統計によると、米空港利用者数は昨年同期比80%減となった。

ボーイングの737MAX機の今年の受注は、キャンセルにより615機の純減になっている。同社は国際線に利用される大型機に注力しており、この分野の回復は時間がかかるだろう。

しかし、ボーイングの受注残高は依然として約4800機に達している。

ウォールストリートジャーナルによると「同社に対する新型ウイルスの影響は来年明らかになるだろう。来年には、航空各社が支払い済み前金の少ない、納入が先の契約についてキャンセルの是非を適切に判断できるようになるからだ」と語った。また、「受注残をめぐる最大の脅威は航空会社が大量に破綻することだが、各国政府は公的資金を投入して破綻を回避してきている」と述べた。

737MAX

ボーイングは2019年に2度の墜落事故が発生した。同社は737MAX機の運航を再開できれば、再び株価は値を上げるだろう。

連邦航空局(FAA)は先週、737MAXの飛行制御システムのテストを開始した。737MAXは年内に運航を再開できるかもしれない。FAAは、航空機の安全性を評価する上で重要な基準を設定したと述べた。

また、FAAは声明の中で「今週3日間の試験期間中、FAAのパイロットとエンジニアは、737MAXの自動飛行制御システムに関連したボーイング提案の変更を評価した」と語った。

しかし、ボーイングの737MAXの運航再開が保障されたわけではない。ブルームバーグによると、乗客を乗せた運航再開に向けて、依然として多くのステップが残っている。

「新たなパイロット訓練基準がFAAと他国の当局によって承認されなければならない。航空専門家の外部委員会が同機の修正を検証しており、FAAはソフトウエアと配線、その他システムに対するさまざまな変更を義務付ける新たな規制を発表する必要もある」

737MAXが全ての承認を得たとしても、ボーイング社のキャッシュフローは、航空会社が新型ウイルス終息後に通常運行を再開できるか否かに大きく依存している。

同株は過去1年間、回復に向かっていると思われていた中、大きな売り圧力を受けた。

アナリストの間でも意見は割れている。25人のアナリストの内、14人が「買い」、11人が「売り」としている。ボーイングの12カ月間の平均的な目標株価は、約174ドルとなっている。

総括

ボーイングの株価は新型ウイルスによる暴落の後、堅調に推移しているようだ。この背景には、航空便の回復の兆しがある。

ボーイングが回復への長い道のりを歩んでいることは明らかであるが、すぐには好転しないだろう。今は、傍観するべきである。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス・アンワル