2020年7月15日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

NYダウは引き続き堅調に推移している。昨日14日(火)夜は、これから本格化する米主要企業の決算を前に業績期待から買いが入ったほか、米モデルナ社が新型コロナウイルスへのワクチン開発に前進とポジティブなヘッドラインが流れたことも、上昇に拍車をかけたようだ。一方で本日15日(水)早朝にはトランプ米大統領が香港国家安全維持法を巡る中国制裁法案に署名とのヘッドラインが流れているほか、南シナ海をめぐる米中対立、不透明な米大統領選、コロナ第二波など、リスク要因が混在していることも忘れてはならない。株高にはついていかなければならないが、急落リスクには備えておくべきだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

マーケットにはヘビー級の材料が混在しているものの、米ドル/円はなかなか方向感が出てくれない。106.60~108.00円のレンジを意識しつつ、ブレイク時はそれなりのスピードがでそうなので、短期でついていくオペレーションとなる。もっとも方向感の見えないドルはひとまず見限って、勢いのあるユーロに乗り換えるのもいいだろう。ユーロのイベントとしては明日16日(木)にECB政策金利発表があり、17日(金)からはEU首脳会議が開かれ、コロナウイルス復興基金についての話し合いが18日(土)まで行なわれる。コロナウイルス復興基金については今回のEU首脳会議では合意に至らないというのがコンセンサスとなっているので、ポジティブなヘッドラインには感度がよさそうだ。また、ユーロ/米ドルのチャートを見ても徐々に下値を切り上げており、テクニカル的な優位性が確認できる。現在1.1400ドル付近では売りに押される場面もあるが、1.1400ドル台で踏ん張れると、もう一段上のレンジに上がるだけに、正念場と言えるだろう。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。