11代目となる新型ホンダ・シビックのプロトタイプがワールドプレミア。セダンのほかにハッチバックやパフォーマンス志向のSi、高性能バーションのタイプRの設定も予告
米国ホンダは11月17日(現地時間)、ライブストリーミング配信サービス「Twitch」内の自社プログラム「HONDA Head2Head」において、11代目となる新型シビックのプロトタイプを発表した。
今回発表された新型シビックは、北米市場のメインモデルとなるセダンのプロトタイプで、市販モデルの発売は2021年春の終盤を予定する。基本パッケージに関しては、新世代のプラットフォームをベースに、ホンダのクルマ造りの伝統である「M・M(マン・マキシマム メカ・ミニマム)」思想を再構築。合わせて、デザインやパフォーマンス、安全性、コネクテッド機構などをいっそう高いレベルに引き上げたという。
エクステリアについては、低いボディ高やヒップポイントが特徴のローCGパッケージを踏襲しつつ、シビックの特徴である“thin and light(薄くて軽い)”デザインを新しい解釈で創出する。具体的には、低く構えたボンネット先端にフロントグリルと繋がるようにアレンジしたシャープなLEDヘッドライト、キャビン部をボディ後方に移動させてフロントセクションを長く見せるスポーティなサイドビュー、フロントフェンダーからテールランプに向かって緩やかな弧を描くCラインとリアフェンダーからリアリフレクターに向かって上昇するRラインの印象的な組み合わせ、ワイドなトレッドと幅広さを強調したリアコンビネーションランプ、エッジ部をアップスエップ形状で仕立てたトランクリッドなどによって、ダイナミックでスポーティなスタイルを構築した。一方、フロントルーフピラーを運転席後方に移動させたり、サイドミラーをドア側に移してフロントサイドウィンドウからの視界を確保したりするなど、乗員の視認性を着実に高めている。
デザインスケッチで公開されたインテリアは、ローセットのインパネとドアトリムのラインに調和を持たせつつ、カットラインや継ぎ目を最小限に抑えて、上質かつすっきりとしたコクピットを演出。また、インパネに配するハニカムメッシュのアクセントは、デザイン性を高めるだけでなく吹き出し口を隠す役割も果たす。一方、先進機構としてオールデジタル化したメーターや9インチのフルHDディスプレイタッチスクリーンなどを組み込んだ。
安全性の向上にも抜かりはない。基本骨格には、乗員と歩行者の衝突保護性能を向上させたAdvanced Compatibility Engineering(ACE)ボディ構造の新バージョンを導入。また、Honda SENSINGの安全技術とドライバーアシスト技術のさらなる向上や新エアバッグシステムの採用などを実施し、アクティブおよびパッシブセーフティのいっそうの引き上げを図った。
今回の発表では、セダンのほかにハッチバックやパフォーマンス志向のSi、高性能バーションのタイプRの設定もアナウンスされる。また、北米向けのハッチバックは米国インディアナ州に居を構えるグリーンズバーグ工場で生産すると予告。従来は英国のスウィンドン工場で生産して北米に輸入していたが、同工場は2021年内での閉鎖が決まっており、その移管先が注目されていた。なお、新型シビックの日本における生産や発売時期などは、現在のところ未発表である。
(提供:CAR and DRIVER)