アメックスのプラチナカードは年会費が14万3,000円(税込)と高額であるにもかかわらず、そのスペックやステータスの高さから人気が高い。年会費以上のメリットがあるといわれるこのカードの特典・サービスの魅力を紹介しよう。

1,アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カードの基本スペックと審査基準

アメックス・プラチナの5つのメリット
(画像=DreamerAchieverNoraTarvus/Shutterstock.com)

「アメックス・プラチナ(アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード)」は、9つの空港ラウンジプログラム(うち1つは国内空港ラウンジサービス)が提供される他、高級ホテルの優待なども充実している。また、他のカードには見られない多彩な付帯保険も魅力だ。

それらには、14万3,000円(税込)の年会費相当のメリットがあるのだろうか?まずは基本スペックから見ていこう。

アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カードの基本スペック……年会費、空港ラウンジ、付帯保険など

国際ブランド アメリカン・エキスプレス
年会費 14万3,000円(税込)
家族カード4枚まで無料
ポイント
サービス
メンバーシップ・リワード
通常ポイント
還元率
0.5%
海外利用分1.5%
ポイント
交換対象
ANA/JALマイル
楽天ポイント
Tポイントなど
空港ラウンジ
サービス
*8つの空港ラウンジプログラムで
世界1,300ヵ所以上のラウンジを利用可能
*国内28空港+ハワイ・ホノルル
付帯保険 海外旅行傷害保険(自動付帯)
国内旅行傷害保険(利用付帯)
海外航空便遅延費用保険(自動付帯)
キャンセル・プロテクション
リターン・プロテクション
ショッピング・プロテクション
ワランティー・プラス
ホームウェア・プロテクション
ゴルフ・スキー・テニス保険
個人賠償責任保険
スマートフォン・プロテクション
追加カード 家族カード
ETCカード
プラスEXカード
電子マネー 【Apple Pay経由】
QUICPay
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

審査基準・審査難易度……年収500万円以上が目安

パートやアルバイトの人は申し込み自体ができないが、年金受給者は申し込める。

審査基準は、クチコミ情報から推測して年収500万円以上で審査通過の可能性が高くなるだろう。勤務先や勤続年数、持ち家か賃貸かなどの属性も考慮されるが、年会費14万円超のプラチナカードであることを考えると、年収条件のハードルは比較的低いといっていいだろう。

ステータス性……以前は招待制だったが、現在は申し込み制に!

「アメックス・プラチナ」は、以前はインビテーション(招待)がないと申し込めず、公式サイトではそもそもカード自体が紹介されていなかった。そのこともあり、このカードはプラチナランクでありながら、年会費の高さも相まって他社のブラックカードに匹敵するステータス性を感じさせていた。

2018年のリニューアルにより公式サイトでカードが紹介されるようになり、インビテーションなしで申し込み可能に。より身近になったわけだが、年会費が安くなったわけではないので、ステータス性は依然として高いままだ。また、カードはメタル素材となり、カード自体の高級感はむしろ増している。

アメックス・ゴールドとの違い……空港ラウンジ、ホテル優待、付帯保険が大幅に強化

参考までに、アメックス・プラチナのワンランク下に当たる「アメックス・ゴールド(アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード)」とスペックを比較しておこう。

アメックス・プラチナ アメックス・ゴールド
税込年会費 14万3,000円 3万1,900円
家族会員
税込年会費
4枚まで無料 1枚目無料
2枚目以降1万3,200円
メンバーシップ・
リワード・プラス
無料 3,300円(税込)
空港ラウンジ
サービス
*センチュリオンラウンジ、
プライオリティ・パスなど
8つの空港ラウンジプログラム
*国内28空港+ハワイ・ホノルル
*プライオリティ・パス
(年間2回まで無料、
以降1回32米ドルが必要)
*国内28空港+ハワイ・ホノルル
レストラン1名分無料
空港手荷物無料宅配 1個まで無料
ホテル・メンバーシップ
ファイン・ホテル・
アンド・リゾート
フリー・ステイ・ギフト
旅行傷害保険 海外最高1億円(自動付帯)
国内最高1億円(利用付帯)
海外最高1億円(自動付帯)
国内最高5,000万円
(利用付帯)
航空便遅延費用保険 海外最高6万円(自動付帯) 国内最高4万円(自動付帯)
ショッピング保険 年間500万円限度
その他の付帯保険 キャンセル・プロテクション
リターン・プロテクション
ワランティー・プラス
ホームウェア・プロテクション
ゴルフ・スキー・テニス保険
個人賠償責任保険
スマートフォン・プロテクション
キャンセル・プロテクション
リターン・プロテクション
スマートフォン・プロテクション
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

ゴールドでは別途有料年会費が必要な「メンバーシップ・リワード・プラス」が、プラチナでは無料で適用される点にまず注目したい。これは、対象店舗でボーナスポイントが付与されたり、ポイント交換レートが上がったりするポイントアッププログラムのことだ。

空港ラウンジサービスとして、ゴールドでは国内空港ラウンジサービスの他、世界1,300ヵ所以上のラウンジを無料利用できるプライオリティ・パスが付帯する。ただし、プライオリティ・パスの対象ラウンジが無料になるのは年2回まで。それ以降は1回32米ドルの利用料がかかる。

一方、プラチナでは国内空港ラウンジサービスの他、「プライオリティ・パス」やアメックスの最上位カードホルダーだけが利用できる「ザ・センチュリオン・ラウンジ」、その他の航空会社のラウンジサービスを含めた8つの空港ラウンジプログラムを利用できる。クレジットカードとしては最高レベルの内容といっていいだろう。

その他、プラチナでは「ホテル・メンバーシップ」「ファイン・ホテル・アンド・リゾート」「フリー・ステイ・ギフト」などゴールドでは提供されていないホテル関連の特典も充実する。付帯保険も、プラチナが種類・補償額ともに圧倒的に充実しているといっていいだろう。

2,アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カードの4つのメリット

ここからは、ハイスペック・ハイステータスカードの代名詞ともいえる「アメックス・プラチナ」のメリットを紹介する。

メリット1,計9つの空港ラウンジプログラムを利用できる 待ち時間に有名シェフ監修の料理も

一般的なプラチナカードには世界1,300ヵ所以上の空港ラウンジを無料で利用できるプライオリティ・パスが付帯する。一方、「アメックス・プラチナ」では、そのプライオリティ・パスを含む8つのラウンジプログラムと国内空港ラウンジサービスを含む「アメリカン・エキスプレス・グローバル・ラウンジ・コレクション」が提供される。内訳は以下の通りだ。

ラウンジプログラム名 同伴者の利用
ザ・センチュリオン・ラウンジ 2名まで無料
インターナショナル・アメリカン・
エキスプレス・ラウンジ
1名~無料
※ラウンジにより異なる
国内空港ラウンジサービス 1名まで無料
プライオリティ・パス 1名まで無料
デルタ・スカイクラブ 1名29米ドル(2名まで)
エスケープ・ラウンジUS 2名まで無料
エアスペース 2名まで無料
プラザ・プレミアム・
エアポート・ラウンジ
1名まで無料
ルフトハンザ・ラウンジ
※ミュンヘン空港・フランクフルト空港
出発便利用時のみ利用可能
有料利用のみ
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

「ザ・センチュリオン・ラウンジ」はアメックスがプラチナ以上の会員向けに運営するラウンジで、北米13空港と香港1空港に設置されている(2021年4月19日現在)。ラウンジでは受賞経験のあるシェフが監修した料理やドリンクを、上質な空間とサービスで楽しめる。

その他のラウンジプログラムも、一般的なカードラウンジ(クレジットカード会員向けラウンジ)よりも高級感のある内容となっている。例えば、デルタ・スカイクラブの羽田空港の新ラウンジ(2021年春オープン予定)では、ビュッフェやソムリエ監修のワイン、その場で調理されるヌードル料理などが提供される他、シャワールームも完備している。

この「アメリカン・エキスプレス・グローバル・ラウンジ・コレクション」は、さまざまなクレジットカードの空港ラウンジサービスの中でも最高レベルといっていいだろう。海外旅行が多く、空港での時間も優雅に楽しみたい人には大きなメリットになるはずだ。

メリット2,高級ホテル&トラベル優待も充実 部屋の無料グレードアップや無料ペア宿泊券プレゼントなど

空港ラウンジに加えて、旅行をさらにお得・快適にしてくれるホテル関係の優待やトラベル優待が提供される。

・ホテル優待
1.ファイン・ホテル・アンド・リゾート
2.ホテル・メンバーシップ
3.フリー・ステイ・ギフト

・トラベル優待
1.トラベル・クーポン
2.京都特別観光ラウンジ

それぞれの詳細を解説しよう。

・ホテル優待1,ファイン・ホテル・アンド・リゾート――名だたる高級ホテルでの優待

「ファイン・ホテル・アンド・リゾート」では、世界1,100ヵ所以上の最高級ホテルやリゾート施設ホテルを優待料金で利用できる他、部屋のアップグレード(空室状況による)、アーリーチェックイン/レイトチェックアウト、朝食サービスなどの特典が提供される。

カード公式サイトには、平均550米ドル相当(2連泊の場合)の特典を利用できると紹介されている。それを前提にすると、宿泊するホテルにもよるが、単純計算で2連泊を3回繰り返すと年会費を上回るメリットを得られる計算だ。この特典の対象ホテルは、以下のような高級ホテルブランドが名を連ねている(一部を抜粋)。

国内

ザ・リッツ・カールトン アマン グランドハイアット パークハイアット
コンラッド ザ・ペニンシュラ ジ・オークラ シャングリ・ラ
ニューオータニ ラグジュアリー
コレクション
フォーシーズンズ セント レジス
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

海外

ザ・リッツ・カールトン JWマリオット アマン ウェスティン
ウォルドーフ・アストリア エディション オベロイ グランドハイアット
パークハイアット ハイアットリージェンシー ヒルトン コンラッド
ザ・ペニンシュラ シャングリ・ラ ラグジュアリー
コレクション
フォーシーズンズ
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

・ホテル優待2,ホテル・メンバーシップ――高級ホテルの上級会員資格が付与される

通常は年間登録料または宿泊回数条件のクリアが必要になる、高級ホテルグループの上級メンバーシップ/VIPプログラムに無条件で登録でき、部屋のアップグレードなどの特典を受けられる。対象は以下の通りだ。

・「ヒルトン・オナーズ」ゴールド会員
・「Radisson Rewards」Goldエリートステータス
・「マリオット ボンヴォイ」ゴールドエリート会員

例えば、ヒルトンの上級会員であるヒルトン・オナーズのゴールド会員になるためには

1.1年間に20回の滞在
2.1年間に40泊の宿泊
3.年間7万5,000ヒルトン・オナーズ・ベースポイントの獲得

のいずれかをクリアする必要がある。それなりに高いハードルだが、「アメックス・プラチナ」の会員は無条件に登録でき、ゴールド会員になると、ヒルトン系のホテルで5泊目無料や、2人目宿泊無料、レイトチェックアウトなどの特典を利用できる他、ホテルによっては空室状況に応じて部屋のアップグレードサービスなどが提供される。

そうした特典を考えると、ヒルトン系やマリオット系などのホテルに年に数回宿泊する人ならこれだけで年会費の元が取れそうだ。宿泊料が高額であればあるほど、部屋がアップグレードされたときのお得度も大きくなる。

・ホテル優待3,フリー・ステイ・ギフト――オークラやヒルトンの系列ホテルに無料で宿泊できる

年に一度のカード更新時に、国内の対象ホテルで1泊できるペア無料宿泊券がプレゼントされる。2021年4月現在、特典のリニューアルにより、利用対象外となる日は大幅に減り使い勝手が改善した。また、2連泊以上の予約時には多くのホテルで5,000円分のクレジットがプレゼントされる。

無料で宿泊できるホテルには、「ホテルニューオータニ」「ホテルオークラ東京ベイ」「ウェスティンホテル東京」「シェラトン都ホテル東京」「横浜ロイヤルパークホテル」「東京プリンスホテル」「ヒルトン東京」「ハイアット リージェンシー 東京」「ホテル日航大阪」「三井ガーデンホテル六本木プレミア」などがある。

・トラベル優待1,トラベル・クーポン――指定サイトで使える3万円分のクーポン

入会初年度に3万円分のトラベル・クーポンがプレゼントされる。このクーポンは「アメリカン・エキスプレス・トラベル オンライン」で10万円(税込)以上の旅行商品を予約した場合に利用できる。

・トラベル優待2,高台寺塔頭 圓徳院 「京都特別観光ラウンジ」――アメックス上位カード会員限定のおもてなし

京都の高台寺塔頭 圓徳院書院・知客寮で、お茶の接待や圓徳院の拝観無料、高台寺駐車場1時間無料サービスなどが提供される。

上記のうちホテル関連の特典は、高級ホテルをよく利用する人には圧倒的にお得な内容となっており、場合によっては年に数回のホテル利用で高額なカード年会費の元が取れてしまうだろう。

メリット3,グルメ関連特典も強い!コース料理1名分無料、人気店貸し切りなど

旅行関係に強いイメージがあるアメックスだが、「アメックス・プラチナ」ではお得で便利なグルメ関係の特典も利用できる。

・2 for 1ダイニング by 招待日和――コース料理1名無料

国内約200ヵ所の対象レストランを2人以上で予約すると、1人分のコース料金が無料になるサービス。対象店舗は、ハワイやシンガポール、台湾など海外にもある。ここでは参考までに、東京・京都・大阪の対象レストランの一部を紹介しよう。

対象レストランの一部

アンティカ・オステリア・
デル・ポンテ
重慶飯店 麻布賓館 グランファミーユ・
シェ松尾
ラ・ロシェル南青山
サバティーニ・ディ・
フィレンツェ東京店
ラージマハール銀座店 GINZA kansei ステーキ 花郷 祇園店
KIYOMIZU 東山庭
(ヒガシヤマガーデン)
ふぐ・はも割烹 由兵衛 懐石 北瑞苑 網焼ビフテキ 小松屋
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

これらの中には、税込3万円を超えるコース料金が1人分無料になる店舗もある。そこで、そうした店で「2 for 1ダイニング by 招待日和」を年に5回ほど利用すると、それだけで年会費の元が取れる。

・日本の極 KIWAMI 50――レストランを貸し切りで堪能

予約を取りにくい人気レストランを年間で50店舗ほどアメックスが貸し切り、会員が食事を楽しめるサービス。抽選で決まった参加者には、その日だけの特別メニューが提供される。これは、他のプラチナカードではあまり見られないサービスといっていいだろう。

・アメックス・スペシャル・リザーブ――予約困難レストランの席を先行案内

高級レストランの予約・決済サービス「ポケットコンシェルジュ」が、ミシュラン掲載店など予約を取りにくい20店舗以上のレストランの席を先行案内してくれるサービス。

ホテル関連の特典と同じく、グルメ関連の特典も高級店をよく利用する人にとってメリットの大きい内容となっている。

その他の特典もここで紹介しておこう。

特典名 特典内容
ラグジュアリー・
ショッピング
対象となる高級ブランド店
(TAG Heuer、FRED、TOYO KITCHEN STYLE、
YAMAHAなど)で最大10倍のポイントがたまる。
加えて、特別なショッピング体験、
限定アイテムへのポイント交換などが順次導入される予定
スポーツクラブアクセス ハイクラスな会員制スポーツクラブを
1回ごとの利用料金で利用できる特典や、
入会金・保証金の優待が提供される
SBIウェルネスサポート 医療・健康サポートサービスとして、
無料カウンセリングや会員制健康管理支援
サービスなどの特典が提供される
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

これらの特典もやはり、ハイクラスなライフスタイルを想定したものとなっている。生活にお金をかけられる人ほどお得に利用できる特典といっていいだろう。

メリット4,10種の付帯保険で安心を提供!旅行傷害保険は最高1億円

「アメックス・プラチナ」の付帯保険の特徴は、補償額の大きさもさることながら、他のクレジットカードではあまり見られない多種多様な保険が含まれていることにある。

・付帯保険1&2,海外・国内旅行傷害保険……最高1億円で家族特約もあり

海外・国内ともに最高1億円の旅行傷害保険が付帯。まず海外保険は、旅行代金をカードで支払ったかどうかにかかわらず付帯する自動付帯となる。ただし、旅行代金のカード支払いがない場合は最高5,000万円となる。

一方、国内保険は、旅行代金をカードで支払った場合に適用される利用付帯となる。

海外・国内とも家族特約として、カード会員の配偶者や生計をともにする子ども、両親などにも保険が適用される。

旅行代金をカードで決済した場合(海外)

保険金の種類 本会員 本会員の家族 家族カード会員 家族カード
会員の家族
傷害死亡・後遺障害 最高1億円 最高1,000万円 最高1億円 最高1,000万円
傷害治療費用 最高1,000万円
疾病治療費用 最高1,000万円
賠償責任 最高5,000万円
携行品損害 1旅行中最高100万円(免責金額3,000円・年間限度額100万円)
救援者費用 保険期間中最高1,000万円
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

旅行代金をカードで決済した場合(国内)

保険金の種類 本会員 本会員の家族 家族カード会員 家族カード
会員の家族
傷害死亡・後遺障害 最高1億円 最高1,000万円 最高1億円 最高1,000万円
入院保険金 日額5,000円
手術保険金 最高20万円
通院保険金 日額3,000円
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

旅行代金をカードで決済していない場合(海外)*国内は補償なし

保険金の種類 本会員 本会員の家族 家族カード会員 家族カード
会員の家族
傷害死亡・後遺障害 最高5,000万円 最高1,000万円 補償なし
傷害治療費用 最高1,000万円
疾病治療費用 最高1,000万円
賠償責任 最高5,000万円
携行品損害 1旅行中最高100万円
(免責金額3,000円・年間限度額100万円)
救援者費用 保険期間中最高1,000万円
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

・付帯保険3,海外航空便遅延保険……最高6万円

海外旅行時に、航空機の遅延や欠航、手荷物の遅延や紛失などを原因として生じた宿泊費や食事代、衣類購入費などの出費が補償される。

保険項目 補償金額
乗継遅延費用保険金 最高3万円
出航遅延・欠航・搭乗不能費用保険金 最高3万円
受託手荷物遅延費用保険金 最高3万円
受託手荷物紛失費用保険金 最高6万円
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

・付帯保険4,個人賠償責任保険……最高1億円

居住する住居の問題や、日常生活での行為によって生じた他人への賠償責任について、1事故につき1億円を限度に補償される。会員と同居の家族、別に住む未婚の子どもにも適用される。

・付帯保険5,キャンセル・プロテクション……年間最高50万円

急なケガや出張などで、予定していた旅行やコンサートなどをキャンセルした場合、その費用が年間50万円まで補償される(配偶者や子どもの傷害による通院を原因とする場合は年間最高15万円)。

・付帯保険6,リターン・プロテクション……年間最高15万円

このカードで購入した商品の返品を店舗側が受け付けない場合、1商品につき最高3万円、年間15万円までの範囲で、アメックスから商品代金が払い戻される。

・付帯保険7,ショッピング・プロテクション(ショッピング保険)……年間最高500万円

このカードで購入した商品が購入日から90日以内に偶然の事故で損害を被った場合、年間500万円まで補償される(免責金額1事故1万円)。

・付帯保険8,ワランティー・プラス/ホームウェア・プロテクション……年間最高50万円

ワランティー・プラスは、カードで購入した電化製品・パソコン・時計・カメラなどの保証期間を、メーカー保証終了後さらに2年間延長するもの。一方、ホームウェア・プロテクションは、それらの製品が偶然の事故で損害を受けた場合に所定の割合で補償するものだ。いずれも5,000円以上の損害額が対象となり、両方合わせて年間50万円までの補償となる。

・付帯保険9,ゴルフ・スキー・テニス保険……最高1,000万円

スポーツ中の事故や用具の破損、盗難などを補償する保険が付帯する。ゴルフ保険は最高1,000万円、スキー保険は最高500万円、テニス保険は最高250万円となる。

・付帯保険10,スマートフォン・プロテクション……年間10万円限度

所有するスマートフォンが破損した場合(スクリーンガラス割れも含む)、修理代金が年間で最大10万円まで補償される。対象となるスマートフォンは1台のみで購入後2年以内のもの。また、その通信料を3ヵ月以上連続して「アメックス・プラチナ」で決済していることが条件となる。

これらの付帯保険のうち、海外旅行傷害保険における傷害・疾病治療費用が、最高1,000万円と高額であることに注目してほしい。海外では医療費が非常に高額になることがあり、傷害・疾病治療費用の補償額は高ければ高いほどいいからだ。

他社のプラチナカードの多くは、死亡・後遺障害の補償額が1億円であっても、傷害・疾病治療費用は数百万円に設定されているケースが多いことを考えると、このカードの補償額は高く評価できる。

3,アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カードのポイント還元率は?旅行好きの人ほど高還元率に

クレジットカードを選びで、優待・特典と並んで重視したいのがポイントサービスだ。「アメックス・プラチナ」のポイント還元率やその使い道、還元率を上げる方法などを紹介しておこう。

たまるポイントと還元率……通常還元率は0.5%だが交換対象によって変わる

たまるポイントは「メンバーシップ・リワード」で、基本的にクレジット支払い100円ごとに1ポイントが付与。ポイント還元率は交換対象によって大きく変わり、また本来有料のポイントアッププログラム「メンバーシップ・リワード・プラス」に、このカードでは無料で登録できることから、その適用の有無によっても変わってくる。

ここでは「メンバーシップ・リワード・プラス」に登録の上、カード利用代金の支払いに充当した前提で0.5%としておこう。なお「メンバーシップ・リワード・プラス」に登録すると、ポイントの有効期限は無期限になる。

貯まるポイント メンバーシップ・リワード
ポイントの貯まり方 100円につき1ポイント
通常還元率 0.5%
有効期限 無期限
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

ポイント還元率をアップする2つの方法……「メンバーシップ・リワード・プラス」で大幅増加

ここからは、ポイントアップの方法を2つ紹介しよう。

・方法1,「メンバーシップ・リワード・プラス」への無料登録で付与率・還元率アップ

「アメックス・プラチナ」では、通常年間3,300円(税込)が必要なポイントアッププログラム「メンバーシップ・リワード・プラス」に無料で登録できる。

これが適用された上でさらに「海外利用ボーナスポイントプログラム」に登録すると、海外利用分(外貨建ての利用)の獲得ポイントが3倍に(100円で3ポイント)。また、「ボーナスポイントプログラム」に登録すると、対象加盟店の利用分が同様に獲得ポイント3倍となる。

「ボーナスポイントプログラム」の対象加盟店はAmazon、Yahoo!JAPANの一部サービス、iTunes Store/App Store、Uber Eats、JAL公式ウェブサイト、ヨドバシカメラ、HIS公式ウェブサイト、一休.com、アメリカン・エキスプレス・トラベルオンラインだ。

また、「メンバーシップ・リワード・プラス」では、ポイント交換レートもアップするため、これもポイント還元率が高くなる要因の一つとなっている。

・方法2,入会特典の条件クリアでポイントを獲得する

入会特典として、入会後3ヵ月で一定の合計利用額を超えるとボーナスポイントが付与される。

入会後3ヵ月以内
の合計利用額
ボーナスポイント
50万円達成 2万ポイント
100万円達成 2万ポイント
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

利用額が100万円を超えると、合計で4万ポイントの贈呈になる。これに通常の獲得ポイントも加えると合計5万ポイントだ。海外旅行に行くタイミングや、家具や家電など大きな買い物の予定があるときにカードを作ると、この条件をクリアしやすいだろう。

ポイントの使い道……ANAマイルへの交換なら2%還元に

ポイントは賞品の他、各社ギフト券やマイルなどにも交換でき、各種の支払いにも充当できる。ここでは「メンバーシップ・リワード・プラス」の交換レートアップが適用される対象について、算出したポイント還元率(100円で1ポイント獲得した場合)と併せて紹介しよう。なお、マイルは1マイル→2円相当の価値があるものとした。

交換・利用対象 必要ポイント 交換対象単位 ポイント 還元率
JALマイル 2,500ポイント 1,000マイル 0.8%
ANAマイル 1,000ポイント 2%
提携航空パートナー
15社のマイル
1,250ポイント 1.6%
ヒルトン・オナーズ 1,000ポイント 1,250ポイント
マリオット ボンヴォイ 990ポイント
航空会社の支払いに充当 1ポイント 1円 1%
アメリカン・エキスプレス・
トラベル オンラインの支払い
ホテル・旅行代理店の支払い 0.8円 0.8%
HIS アメリカン・エキスプレス・
トラベル・デスクの対象店舗
日本旅行の対象店舗
カード利用代金の支払い 0.5円 0.5%
ヨドバシカメラ・
高島屋の商品券
2,000ポイント 1,000円分
American Express
SafeKey参加加盟店
(マルイのネット通販、
ベルメゾンネットなど)
1ポイント 0.5~1円 0.5~1%
※ホテルグループのポイントは季節変動が激しいため、還元率算出から除外
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

ANAマイルへの交換が最もポイント還元率が高く、次が提携航空会社のマイル、航空会社の支払い、アメリカン・エキスプレス・トラベル オンラインの支払いと続く。

カードの利用・交換対象によってポイント還元率は大きく変わるが、海外旅行の多い人が航空マイルへの交換や旅行代金の支払いに使うことを想定した場合、高還元が期待できるといっていいだろう。例えば、海外旅行で得たポイントをANAマイルに交換する場合、その部分は6%還元にもなる。

4,アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カードの2つのデメリット

「アメックス・プラチナ」はハイステータスなだけでなくハイスペックなので、使い方によっては年会費の元が取れるカードだが、以下のようなデメリットもある。

デメリット1,年会費が非常に高額

このカードのスペックを十分に使いこなせない人は年会費を高いと感じるだろう。特に高級ホテルや高級レストランをあまり利用しない人や、海外旅行が年1回程度の人は年会費相当の活用ができない可能性がある。

デメリット2,国際ブランドとしての加盟店シェアが小さい

ステータスカードの代名詞のようなアメックスだが、国際ブランドとしては加盟店シェアが比較的少なく、店舗で使えないケースもある。日本ではJCBとのパートナーシップにより使える店舗が多いが、海外旅行時にこれ1枚では心もとない。海外旅行時は、特に加盟店数シェアの大きいVISAやMasterCardと併用した方がいいだろう。

5,アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カードはどんな人におすすめ?旅行やグルメへの出費を惜しまない人に向く1枚

ここまで見てきたように「アメックス・プラチナ」が活躍するのは、高級ホテルの利用や海外旅行のときなどだ。例えば、高級ホテルで部屋をアップグレードしたとすれば、金銭的な価値では2泊で10万円近くになる。こうした機会が頻繁にあれば、年会費を上回るメリットを得られるだろう。ただ、そのような機会があまりない人は、逆にコストの高すぎるクレジットカードとなってしまう。

なお、「アメックス・プラチナ」は2021年3月末にリニューアルを発表。新規特典として、ここで紹介した「アメックス・スペシャル・リザーブ」「ラグジュアリー・ショッピング」「スマートフォン・プロテクション」が加わった。

また、「フリー・ステイ・ギフト」がリニューアルされ、数多くの高級ホテルが、年1回プレゼントされる無料ペア宿泊券の対象となった。これ自体は以前からある特典だが、かつては特典対象に高級ホテルが少なかったのでかなりグレードアップした感じがある。

リニューアルによって一部なくなってしまった特典・サービスもあるが、総じてよりメリットの多いカードになったといっていいだろう。

執筆・モリソウイチロウ(ライター)
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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