本記事は、河村 真木子氏の著書『自由にあきらめずに生きる 外資系金融ママがわが子へ伝えたい 人生とお金の本質』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の中から一部を抜粋・編集しています。

自由にあきらめずに生きる 外資系金融ママがわが子へ伝えたい 人生とお金の本質
(画像=kapinon/stock.adobe.com)

英語力と営業力は世界共通の能力

金融リテラシーを身につける際は、英語による情報が多いので、英語ができたほうが圧倒的に有利です。
ネットで世界中がつながっている今、英語が使えるか使えないかで得られる情報が変わりますし、人脈や経験にも大きな影響を与えます。英語は完全にインフラと言えるでしょう。
「仕事選びに有利だし、食いっぱぐれない」という意味では、いろんな資格を取るよりもTOEFLやTOEICの高得点を目指すほうがいいと思いますし、実際のコミュニケーション能力を高めて話せればさらにいい。また、英語ができるようになると、自信や自己肯定感も生まれます。
私は母に自分がそうしてもらったように「とことん自主性を尊重する子育て」なので、習い事も進路も基本的には娘の自主性を尊重し、選択させてきました。
それでもスイミングと英語だけは別で、「この2つは生きるのに不可欠なスキルだ」とかなり小さい頃から習わせました。
勉強としてではなく、自然に覚えるのがいいと考えたので、英語がネイティブのベビーシッターを手配。週末は英語に触れられる場所やイベントに娘を連れて行きましたし、小・中学校はインターナショナルスクールを選んだのも、私の意向です。
こうして娘は成長し、自分の意思でボストンの高校を選び、ニューヨークにある大学に進みました。
自ら人生を選べる子に育ってくれたのは嬉しかったし、今、海外でひたすら勉強する環境に置かれていることは、よかったと思っています。
なぜなら18歳から22歳はあらゆることを吸収できる「脳みその黄金期」。
そんな大切な時間を、アルバイトや遊びに使うのはもったいない。
できるかぎり勉強して、知識と経験を蓄えたほうがいい。
そう密かに思っていたからです。
この本の原稿を書いている頃、娘は交換留学でスペインに滞在していましたが、彼女がニューヨークからスペインに向かうときの軽やかさには驚かされました。
観光客レベルなら問題ありませんが、スペインはヨーロッパの中では、英語が通じにくい国。それでも英語ができるという自信があるため、「私は国際語を知っている」と堂々としていられるのです。

英語でAIにも人にもつながる

「これからはコミュニケーションツールとしての英語の重要性がさらに高まっていく」
こう言うと、決まって反論されます。
「生成AIがあるじゃない? ChatGPTがあれば語学力はいらないのでは?」
と。
ところが、生成AIを効果的に使いこなすためにも、英語力は重要です。
もともと英語をベースに開発されているので、プロンプト(指示)を英語で書くほうが、より精度の高い結果を得られるためです。
また、生成AIを介してのリアルタイム・コミュニケーションには限界があります。
そして私の見方としては、人はテクノロジーの時代になればなるほど、揺り戻しで生のコミュニケーションを求める気もしています。
英語学習を通じて身につくのは、語学力だけではありません。
子どもの頃から「世界にはいろいろな人が住んでいる」というグローバルな目を養うことができます。
見た目や文化、宗教、考え方が違う人がいるということを、自然に理解できるようになれば、さまざまな人とつながる可能性も広がります。
日本人が圧倒的マジョリティの日本では、言葉にしなくても「みんなわかるよね」という空気を読む能力が磨かれますが、世界ではまったく通用しません。
多様性への理解力を身につけないと、いくら語学ができてもグローバルな時代を生き抜いていけないでしょう。
その意味で、英語を使ってさまざまな人と会うことは、マストであり、リターンが大きいと言えます。

資本家として成功する決め手は「営業力」

外資系金融機関時代の元同僚は、多くが起業してビジネスを始めているのですが、成功している人の多くは「元営業職」です。
投資銀行の花形といえば金融工学の専門家。数学の天才みたいな人もザラにいますし、リサーチャーやアナリスト、トレーダーなど専門スキルが高い人たちもいます。
彼らは恐ろしく優秀ではありますが、人とのコミュニケーションはやや苦手。思い切って行動を起こすパワーがあるというより、じっくり考えるタイプが多いようです。
結局、頭脳は優秀でも、実際に事業を始めると失敗してしまうケースが少なくありません。
一方、営業経験者は、「天才だけれど説明が苦手な◯◯◯さん」と「超一流企業の経営者」をつないで専門的な情報の橋渡しをしたり、さまざまな調整をすることにも長けています。
人脈が特に大切なので、優秀な人ほど重要な人たちの間で顔も広い。つまり、ビジネス全般に必要なスキルを身につけています。
だから、起業しても成功しやすいのでしょう。

「営業の仕事って、社長の仕事ととてもよく似ている」
ワーカーだった頃から、私はそう思っていました。私は仕事を通して相当数の経営者に会ってきましたが、営業という仕事と共通点があるのです。
たとえば社長は人を雇うときにも取引先や顧客と付き合うときにも、その人をよく観察し、関係を築くべき人と遠ざけたほうがいい人を見抜きます。また、どうやってお互いに必要なことを交換し、協力していくかも考えています。
営業も相手をよく観察し、いい顧客になってくれるか、ビジネス案件がまとまるか、巨額のディールを任せてもらえる信頼関係を築けるかを考えます。
つまり営業は「小さな社長」のような役割を担っているのです。

私は営業というスキルを磨き抜くことで、ニューヨーク、ロンドン、東京など世界各地で営業の仕事をすることができました。
「世界中のどこに行っても、営業という仕事なら誰を相手にしても大丈夫」という自信と、「世界のどこに行っても通用する自分の強み」をもっているという自己肯定感があれば、どんな環境でも力強く生きていくことができます。
営業においてとにかく重要なのは「人が好き」ということに尽きるでしょう。
「この人は何を考えているんだろう?」
この基本的な好奇心がなければ、営業という仕事は務まりません。
人間に対する興味や関心がある私にとっては「好きなことを伸ばしたら得意で最強の強みになった」という結果でしたが、もともとそうでない人には難しいと思います。
だったら、違う部分を伸ばせばいい、それだけです。
ただ、「営業力」は「英語力」と並んで、資本家として「お金を増やす」には、とても重要なスキルだと思っています。
それだけでなく、何をするにも重要な力です。
若いうちから意識して伸ばせるなら伸ばしておくといいでしょう。

自由にあきらめずに生きる 外資系金融ママがわが子へ伝えたい 人生とお金の本質
河村 真木子(かわむら・まきこ)
「Holland Village Members’ Club」主宰/起業家
1976年奈良県生まれ。一児の母。アメリカのUCバークレー卒業後、外資系金融機関などでキャリアを積む。2021年に、オンラインコミュニティ「Holland Village Members’ Club」を設立。オンラインコミュニティの総会員数は約2.7万人と日本最大級の規模を誇り、2026年、DMMオンラインサロン主催のSALON AWARDにて、4年連続で大賞を受賞した。
2025年6月、学生を主な対象にした次世代型オンライン学習コミュニティ「金融経済アカデミー」を開講。
また、日本全国に会員制カフェを8店舗展開し、2025年10月には東京・麻布十番にラグジュアリースパ・ラウンジ複合施設「Holland Village BEAUTY Lounge & SPA」をオープン。
著書に『超フレキシブル人生論”当たり前”を手放せば人生はもっと豊かになる』(扶桑社)がある。

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