本記事は、河村 真木子氏の著書『自由にあきらめずに生きる 外資系金融ママがわが子へ伝えたい 人生とお金の本質』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の中から一部を抜粋・編集しています。
「ワーカーの天井」を知っておく
どんな職種であろうと、ほとんどの人は学校を出ると就職し、会社に勤めるワーカーになります。
仮に「稼いで学べる会社」を選び、「年収2,000万円プレイヤー」という世の中の平均から大きく飛び抜けたサラリーマンになっても、給料をもらっているだけでは永遠にお金持ちになれません。
フランスの有名な経済学者トマ・ピケティの著書『21世紀の資本』によると、1,700年から300年の世界経済のデータを分析すると、年1.6%の成長率でしかないのに対し、資本収益率は年5%程度だったそう。
要するに、歴史的にずっと「資本家が儲かる仕組みになっている」ということです。
そして現実を見ると、日本の20代・30代の平均年収は500万円に届かず、女性は男性の7割程度です。
だからこそ、「2本立ての稼ぎ方」が、子どもにすすめたい働き方なのです
- 労働力(ワーカー)としての仕事
- 資本家としての投資(株、不動産など)
この2本立てで人生を組み立てていくとよいでしょう。
さらには、1の仕事を選ぶにしても、次の2つに分かれます。
- 単純に「労働力を売る」仕事
- 「自分への投資」になる仕事
どちらを選ぶかで、人生は大きく変わってきます。
「自分への投資」になるようなキャリアを選べば、会社という資本家に「原材料」として消費されることもありません。
これまでの「いい職業」の価値観をリセット
「自分への投資」になる仕事の一つとして、稼いで学べる会社である外資系金融を選んだケースを紹介しました。
他にはどんな仕事があるのでしょう?
「AIが発達すれば、ホワイトカラーの仕事は消滅する」などと言われています。
これまで「いい職業」と思われていた仕事も、今後は厳しくなっていく可能性が高く、これについても価値観をリセットしておきましょう。
いわゆる「花形職業」でも、「これからの時代はどうなるかな?」という仕事は少なくありません。
たとえば弁護士。弁護士は、アメリカではすでに「飽和している」という状況ですが、日本もそこに続きそうです。
日本では2000年代に「2010年までに司法試験の合格者数を年間3,000人程度とする」を目標に司法制度が改革され、法科大学院が設けられました。その結果、司法試験の合格者数が大幅に増加。2005年には2万1,185人だった登録弁護士数は、2014年には3万5,045人に増加しています。
「何年も司法試験浪人をしてコツコツ頑張る」
こういうスタイルは過去のものになったのです。
短期間で急激に増えたために、弁護士間の競争も激しくなっています。
そこに追い打ちをかけるのが、AIの進化。法律や判例の検索・整理といった「知識労働の要素を持つ業務」は、AIによって一部が効率化されつつあります。
今後も「稼げる」という観点で言うと、「?」マークが浮かびます。
では、弁護士と並んで憧れとされた職業「医師」はどうでしょう?
少子高齢化の影響があり、「お医者さんが必要」という高齢者が増える一方なのでニーズは高く、慢性的な人手不足で売り手市場のままです。
それなら将来も安泰…… とはなりません。
なぜなら「医師不足」は、少子化で医師になる若い人が少なく、患者になる高齢者が多いという単純な理由だけではないからです。
勤務医の約2割が週60時間以上働いているといいます。つまり人手不足のために、社会問題になるほどの過酷な長時間労働が強いられているのが医師のリアルなのです。
平均年収はいわゆる会社員より高いものの、時給に換算すると逆に低いことも。
開業医であれば「資本家」ですから、経営者として労働時間や収入もコントロールできます。ですが、病院に勤めて働く勤務医はあくまでワーカーであり、市場経済においては「原材料」です。
合理性を重んじ、プライベートを大切にする若い世代からは、「そんな過酷な環境では働きたくない」と医師志望者がじりじりと減少しているといいます。
医師は命を扱うため、もちろん失敗が許されず、責任感も問われる仕事です。
「仕事内容がきつくて、長時間労働で、責任も重いのでやりたくない」というのは、介護業界と同じ構造です。
安易に選ぶと「自分への投資」になる仕事かどうかは、難しいところです。
1976年奈良県生まれ。一児の母。アメリカのUCバークレー卒業後、外資系金融機関などでキャリアを積む。2021年に、オンラインコミュニティ「Holland Village Members’ Club」を設立。オンラインコミュニティの総会員数は約2.7万人と日本最大級の規模を誇り、2026年、DMMオンラインサロン主催のSALON AWARDにて、4年連続で大賞を受賞した。
2025年6月、学生を主な対象にした次世代型オンライン学習コミュニティ「金融経済アカデミー」を開講。
また、日本全国に会員制カフェを8店舗展開し、2025年10月には東京・麻布十番にラグジュアリースパ・ラウンジ複合施設「Holland Village BEAUTY Lounge & SPA」をオープン。
著書に『超フレキシブル人生論”当たり前”を手放せば人生はもっと豊かになる』(扶桑社)がある。
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