本記事は、金川 裕一氏の著書『一流の人望力 人の心をつかむ人がいつもやっていること』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の中から一部を抜粋・編集しています。
行動が人をつくる。だから、まずは踏み出す
人望力を磨くために必要な要素は、
「成長に結びつく行動力」です。
どんなに優れた理論を学んでも、どれだけ人から助言を受けても、行動しなければ何も始まりません。これまでの約45年のキャリアを通じ、チャンスをつかむために最も大切だと痛感しているのは、「動いてみること(=行動)」です。
たとえそれが不完全であっても、失敗に終わったとしても、行動の中にこそ、成長の種があるからです。
人の魅力や人間力と呼ばれるものは、机の上で磨かれるものではありません。
優れた先人たちの本を読むことも大切です。しかし、真に自分を深く見つめ、自分を鍛え、チャンスを与えてくれるのは、行動し、経験することです。
とりわけ、自分を成長させてくれるのは、「うまくいかなかったこと」「失敗」です。
もちろん、失敗をすればいいわけではありません。
「うまくいかなかったこと」「失敗」の経験をしたあと、それをどう捉え、どう対応するかが大切です。
挑戦し、うまくいかなかったときに、「なぜうまくいかなかったのか」を考え、修正する。それが、次にチャンスが巡ってきたときに、活かせる糧となります。
チャンスは平等に訪れている
こんなことを言う人がいます。
生まれた環境や教育の機会はみんな違うし、努力ではどうにもならない偶然がある。
運のいい人、悪い人がいる。チャンスは運のいい人にしかやってこない。
私はこの考えは違うと思います。機会はすべての人に平等に訪れています。チャンスは誰にでもある。成功する人とそうでない人の差は、そのチャンスの存在に気づくかどうかです。そして一歩を踏み出すかどうかにあります。
多くの人が、目の前にチャンスがあるにもかかわらず、「まだ早い」「自信がない」「失敗したらどうしよう」と言い訳をして、見過ごしてしまうのです。
けれども、本当に感性を研ぎ澄ませていれば、「これはやるべきだ」と直感する瞬間がある。その小さな違和感や高揚感を大事にして、迷っても一歩踏み出すこと。それが、のちの人生を変える大きな転機になります。
踏み出したからこそ見える世界がある
私の経験の中で、特に印象的だったのは、28歳のときに労働組合の役員に選ばれたことでした。
労働組合は、働く人たちの権利を守るために会社とは別に存在する組織です。「役員に選ばれる」イコール「みんなの代表になる」ことを意味します。働いている仲間の声を聞き、会社に対して「こうしてほしい」と交渉したり(労使交渉)、働きやすい環境づくりのために意見をまとめます。普段の仕事と兼任する場合もあれば、専任の場合もあります。私の会社の場合は専任となります。
当時、私は営業部門の一員で、しかも組合活動に特別関心があったわけではありません。それどころか、どこか批判的にすら見ていたと思います。しかし、周囲がその率直さを「おもしろい」と感じてくれたのか、声がかかったのです。戸惑いましたし、不安もありました。
そのとき、心の声が聞こえました。
「飛び込んでみろ」
この心の声に従い飛び込んでみたことで、私は思いがけない学びを得ました。
会社のトップ層と対等に話す場に立たされ、人前で話すことの難しさや、プレゼンの準備の浅さを厳しく指摘されたこともありました。そうした場から逃げなかったことで、私は鍛えられ、また新たなチャンスを引き寄せることができました。
踏み出したからこそ見える世界があります。
失敗してもいい。むしろ、失敗しなければ得られないものがある。だから、とにかく動く。わからなくても、怖くても、チャンスだと思ったら、勇気を出して一歩踏み出してみてください。
その行動の積み重ねが、やがて人間力を育み、信頼される存在へと変えてくれます。
学生時代は早稲田大学体育会バレーボール部主将として活躍し、卒業後は横河電機バレーボール部監督、早稲田大学バレーボール部監督として選手育成にも携わった。現在は日本バレーボール協会副会長、早稲田大学バレーボール部OB会会長。
座右の銘は「企業はファンづくり、人生は仲間づくり」。
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