本記事は、金川 裕一氏の著書『一流の人望力 人の心をつかむ人がいつもやっていること』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の中から一部を抜粋・編集しています。

一流の人望力 人の心をつかむ人がいつもやっていること
(画像=Blue_Studio/stock.adobe.com)

「気負わず、楽しむ」それが期待を超える第一歩

「事前期待を超えるためにどんな心構えが必要ですか?」と聞かれたら、私はこう答えています。
「気負わないこと」「楽しむこと」。それが一番大切です。
何かをやらなければならない、という義務感で動くと、人はだんだんと疲れてしまいますし、長続きしません。逆に、自分が楽しんでやっていれば、自然と行動も継続できるし、相手にも“楽しい気持ち”が伝わります。そして、義務感や惰性で動いているときよりも、心から「おもしろい」「やってみたい」と感じているときのほうが、はるかにクリエイティブで主体的に動けます。
人生には嫌なこともたくさんあります。でも、できるだけ楽しいほうに自分を引っ張っていく。その意識が期待を超える行動を習慣化するベースになります。
私自身も「ネガティブな気持ち」を感じることは多々あります。
感性が磨かれていればいるほど、いいことだけじゃなく、悪いことにも敏感になるものです。だからこそ、楽しむために大切なのは、「自分の気持ちをネガティブに引っ張られない工夫や訓練」や「思いを一定にする」ことです。

どんな場面でも気持ちを一定にしてベストを尽くす

「思いを一定にする」とはどういうことか。なぜ、それが大切なのか。
40万部を超えるロングセラー『スラムダンク勝利学』の著者で、スポーツドクターの辻秀一つじしゅういちさんに、社で講演をしていただいたことがあります。そのときに教えていただいた2つのことにヒントがあります。

ひとつは、「パフォーマンス=スキル×思い」であること。能力や技術がどれだけあっても、それにかける“思い”が弱ければ、結果は出ない。逆にスキルが低くても、思いが強ければ大きな力になる、ということです。スキル5×思い10=50、スキル10×思い5も50です。スキルが足りなくても思いが強ければ、パフォーマンスは上がるのです。ネガティブになって思いが下がれば、パフォーマンスも下がります。結果を出すには「思い」が欠かせないのです。
もうひとつは、「どんなときも平常心でベストを尽くす」ことの大切さです。
たとえば、聴衆ひとりの前で講演するのと、1,000人の前で話すのとで、気持ちに差が出る人がいます。ひとりだったら、手を抜きそうになるし、1,000人いたら気持ちが高揚して、やる気もアップしそうですよね。
でも、辻さんは、どちらも同じ気持ちで対峙することが大切、と教えてくださいました。ひとりに全力を尽くすことで、その人が何かを感じて、やがて100人に伝播するかもしれないし、1,000人へつながっていくかもしれない、と。
だから、「どんな場面でも気持ちを一定にしてベストを尽くす」ことを意識したほうがいいとおっしゃっていました。たしかにそのとおりだと納得しました。

「あの人にできるなら自分にもできる。同じ人間だもの」と自分を信じる

感情的になることも、人間ですから、もちろんあります。イライラしたり、落ち込んだりする。そういうときにどう自分を立て直すか。私は「自分を落ち着かせるスイッチ」を持つようにしています。
ひとつは「嫌な思いは一時的なものである」と言い聞かせる。嫌なことがあっても、「これは一時的なこと」「いつかは必ずうまくいく」「今のこの嫌な気持ちも、数時間後には薄れているだろう」と言い聞かせます。ネガティブな気持ちを長引かせない、気持ちをポジティブなイメージで終えるようにしています。
もうひとつは、「人と比べすぎない」ことです。誰かができていて自分にはできていないとき、人は「なぜ、自分にはできないのだろう」と落ち込みがちです。
私はそうではなく、自分を信じて、「あの人にできるなら自分にもできるはず。同じ人間だもの」と思うようにしています。「自分はダメだ」と思った瞬間に、可能性の扉は閉じてしまうからです。「きっとできる」「時間がかかってもできるようになる」と思っていれば、可能性の扉は開いたままの状態を保てます。
「楽しむ」こと、そのために「ネガティブに引っ張られすぎない」こと。これらを心がけていれば、“事前期待を超える”動きも楽しめます。

一流の人望力 人の心をつかむ人がいつもやっていること
金川 裕一(かながわ・ゆういち)
1959年京都府生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、株式会社横河電機製作所(現・横河電機株式会社)入社。1996年、社内ベンチャー制度で横河マルチメディア株式会社(現・キューアンドエー株式会社)を設立し、代表取締役社長に就任。同社を売上200億円規模に成長させる。2016年、横河レンタ・リース株式会社代表取締役社長に就任。約10年にわたり低迷していた同社を、社員数を増やすことなく4年間で業績2倍へと導いた。大企業、中小企業、ベンチャー企業など多様な規模の経営に参画してきた経験を持つ。現在は株式会社エル・ティー・エスで会長を務めるほか、複数社の役員・顧問を兼務する。
学生時代は早稲田大学体育会バレーボール部主将として活躍し、卒業後は横河電機バレーボール部監督、早稲田大学バレーボール部監督として選手育成にも携わった。現在は日本バレーボール協会副会長、早稲田大学バレーボール部OB会会長。
座右の銘は「企業はファンづくり、人生は仲間づくり」。

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一流の人望力 人の心をつかむ人がいつもやっていること
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