「電動化を通じたCO2排出量削減は地球規模の課題」としながらも、トヨタは2050年のカーボンニュートラル実現に向け、電動車率100%の極端な電動化には向かわない。
再生可能エネルギーの普及状況や充電インフラの整備など、各国のエネルギー政策やクルマの使用環境などの事情に合わせ、効果的にCO2削減を図っていく考えだ。
そのため、電動車についてはハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(BEV)、燃料電池車(FCV)をすべてそろえるフルラインアップ化を進める。
2020年末現在でトヨタは乗用車・商用車合わせて55車種の電動車をラインアップしている。このラインアップを2025年までに70車種程度に拡充する計画。
4月19日には中国・上海モーターショーで電動車フルラインアップ化の一環として新BEVシリーズのトヨタbZを発表。このシリーズは2025年までに7車種を導入する計画で、bZ4Xはその第1弾。
SUVタイプのこのBEVは、パートナーの1社、SUBARUと共同開発。新AWDシステムを新開発のBEV専用e-TNGAプラットフォームに搭載する。生産は日本と中国の予定で、2020年年央までに世界で発売予定だ。
電動車は政策の影響もあって需要が多く、かつ再生可能エネルギーによる電力供給が多い欧州、中国、米国に向けて重点的に投入する方針を掲げている。PHVも同様だ。
中国ではC-HRのBEVやレビン(現行カローラ・セダンがベース)のHVが販売されている。
また、欧州ではプロエースシティという名のBEVを販売している。このクルマはトヨタとPSA(当時、現ステランティス)の提携によって生まれたモデルで、プジョーではe-エキスパート、シトロエンではe‐ジャンピーという名前でリリースされ、シャシーやボディを共用している。
(提供:CAR and DRIVER)