ポルシェ911(992)のハイパフォーマンスバージョン「GT3」に、固定式リアウイングに代わって自動展開のリアスポイラーを組み込んだツーリングパッケージが登場
ポルシェ ジャパンは2021年6月16日、第8世代のポルシェ911(992)のハイパフォーマンスモデルに位置する新型911 GT3にツーリングパッケージをラインアップし、同日より予約受注を開始した。車両価格は2296万円に設定。ハンドル位置は右/左の選択が可能である。
往年の“73カレラ”こと1973年モデルの911カレラRSに用意された仕様に由来し、2017年に先代の911(991)GT3で復活させ、新型911(992)GT3にもラインアップした「ツーリングパッケージ」は、デザイン面で高性能をことさらに誇示せず、控えめな演出でハイパフォーマンスを演じるモデルに仕立てたことが特徴である。
エクステリアでは、GT3に装備する固定式の大型リアウイングを省くと同時に、高速走行時に必要なダウンフォースを発生する自動展開式のリアスポイラーを組み込んだことがトピック。また、フロントエンドはボディ同色でフル塗装し、合わせてサイドウィンドウのトリムストリップとスポーツエグゾーストシステムのテールパイプをシルバーカラーで仕立てて、精悍かつエレガントなルックスを創出する。リアリッドグリルにさりげなく“GT3 touring”ロゴを配した点も、所有欲をそそるポイントだ。なお、シルバーカラーの加飾は、オプションのエクステリアツーリングパッケージでサテングロスブラック仕上げに変更することも可能。この場合は、ヘッドライトモジュールがダークティンテッド仕上げとなる。
内包するインテリアは、ダッシュボード前部とドアトリムパネル上部セクションに特殊エンボス加工を施したうえで、ステアリングホイールリムやギア/セレクターレバー、センターコンソールカバー、ドアパネルアームレストおよびドアハンドルにブラックレザーを採用。また、シートセンターパネルをブラックファブリックで、ルーフライナーをブラックカラーで、ドアエントリーガードとダッシュボード、センターコンソールのトリムエレメントをブラックブラッシュアルミニウムで仕立て、キャビン全体をシックな黒基調で統一する。シートのヘッドレストにポルシェクレストをエンボス加工であしらったことも、ツーリングパッケージならではのアレンジだ。
パワーユニットに関しては、既存のGT3と同様に自然吸気の3996cc水平対向6気筒DOHCエンジンを搭載。最高出力は510ps/8400rpm、最大トルクは470Nm/6100rpmを発生し、レブリミットは9000rpmに設定する。組み合わせるトランスミッションは、オートブリッピング機能を配した6速MTのほか、デュアルクラッチタイプの7速PDK(7速ポルシェドッペルクップルング)を採用して後輪を駆動。車重は6速MTが1418kg、7速PDKが1435kgで仕上げ、性能面では6速MTモデルが0→100km/h加速3.9秒、最高速度320km/hを、7速PDKモデルが同3.4秒、318km/hを実現した。
なお、GT3ツーリングパッケージはGT3に用意しているオプション装備をほぼ同様に装着可能。エクステリアとホイールの全カラー、ポルシェダイナミックライトシステムおよびポルシェダイナミックライトシステム プラスを組み込んだLEDヘッドライト、各種アシストシステム、セラミックブレーキ(PCCB)、フロントアクスルリフトシステム、すべてのシートバージョン、クロノパッケージ、オーディオシステムなどが選択できる。
(提供:CAR and DRIVER)