現代は、社会人だけでなく学生でもクレジットカードを持つことができます。社会人の中には、複数枚持っている人も多いのではないでしょうか。クレジットカードを利用すればショッピングの際にキャッシュレス決済が利用できる点は最大のメリットです。しかし正しい使い方を理解しておかないと思わぬアクシデントに見舞われる恐れもあります。

そこで本稿では、クレジットカードの基本的な仕組みや多様化しているキャッシュレス決済の内容を解説します。しっかりとクレジットカードの仕組みや注意点を理解しながら有効に活用していくことが大切です。

クレジットカードの現状

増加するキャッシュレス決済!正しいクレジットカードの活用法とは?
(画像=Rido/stock.adobe.com)

一般社団法人日本クレジット協会が行った「クレジットカード発行枚数調査結果」によると2004年度以降の年間クレジットカード発行数は、以下の通りです。2021年度には3億枚を突破する勢いであることが分かります。

増加するキャッシュレス決済!正しいクレジットカードの活用法とは?
(画像=YANUSY編集部)

また推移を見ても2015年度まではそこまでの伸びは見られていませんが、2016年度より順調に伸びていることが分かります。

利用状況

株式会社JCBが発表している「クレジットカードに関する総合調査(2020年度版調査結果レポート)」によると2020年におけるクレジットカードの保有率は87%、平均保有枚数は3枚でした。また月に利用する平均回数は6.4回、利用額が約5万6,000円となっています。利用が多い業種は、スーパーマーケット(36%)やネットショッピング(35%)、携帯電話(32%)が多い傾向です。

日常生活に密着した利用形態が多く見られることも特徴となっています。

キャッシュレス・ポイント還元事業が引き金

2019年に消費税が10%に引き上げられたことに伴い日本政府は2020年6月30日までポイント還元支援策を行いました。このキャッシュレス決済推進事業によりクレジットカードの利用が増加したことも見逃せません。数あるキャッシュレス決済方法のうちクレジットカードの利用が一番増加した理由は、やはりポイントの活用を魅力的に感じた人の割合が多かったことが反映しているといえるでしょう。

キャッシュレス決済の現状 

ちなみにキャッシュレス決済ができるのは、クレジットカードだけではありません。例えば電子マネーやデビットカード、スマートフォンでもQRコードを用いた決済が可能です。同調査によると2020年におけるスマホ決済の保有率は57%(前年比+13.6ポイント)、利用率が52%(前年比+17.8ポイント)と大きく伸びています。

クレジットカードの仕組み 

クレジットカードの「credit」とは、信用を意味します。つまりその人の信用をもとにクレジットカードが発行され代金後払いで商品を購入できる仕組みです。クレジットカードを申し込む場合は、クレジットカード会社の審査を受けてカード発行に至ります。一方店舗側は、クレジットカード会社に対して手数料を支払うシステムです。

利用者側も支払方法(分割払いやリボ払い)によっては、クレジットカード会社に手数料を支払うことが必要になります。クレジットカード会社は、これらの手数料で利益を得ているのです。一般的にクレジットカードの利用代金は、月締めで翌月以降の決まった日に利用者が指定した口座から引き落とされます。

この際に手数料は発生しませんが引き落とし口座の残高に不足がないよう口座残高には余裕を持たせておくようにしましょう。

自分に合ったクレジットカードの選び方

クレジットカードは、その発行する会社や付帯している国際ブランド、ステータスによって年会費やポイント還元率が異なります。そのため「自分がどのような使い方をしたいか」をしっかりと考えたうえで自分に合ったクレジットカードを選ぶことが必要です。デパートやスーパーマーケットでの利用が多い傾向であれば利用頻度の多い企業が発行しているカードを選ぶとよいでしょう。

例えば仕事で交通機関の利用が多い場合は、オートチャージ機能付きのクレジットカードやマイルのたまりやすいクレジットカードを選ぶことがおすすめです。クレジットカードを選ぶ際には、以下のポイントを押さえながら自分に合ったカードを選択しましょう。

  • 年会費
  • 付帯サービス
  • ポイント還元率
  • 自分がよく使う国際ブランド
  • そのクレジットカードのステータス性

多様化する決済方法

かつてのクレジットカードは、サインや暗証番号の入力が主流でしたが近年はコンタクトレスといわれる非接触決済カードが増加傾向です。この決済方法では、カードをお店の人に渡す必要がないため、不正防止につながったり決済時間を短縮できたりすることにも貢献。タッチ決済ともいわれiPhoneであればApple Payに登録すればスマートフォンでもクレジットカードのタッチ決済が可能です。

クレジットカードを利用する際に注意しておくべきポイント

ここからは、クレジットカードの支払方法や不正防止のために気をつけておきたい点について説明します。

リボ払いはできるだけ避けるようにする

クレジットカードの支払方法には、一括払いやボーナス払い、分割払いだけでなく「リボルビング払い(以下、リボ払い)」というものがあります。一見分割払いと同じように思われがちですがリボ払いの特徴は、利用額に関係なく毎月決められた金額が引き落とされる点です。また引き落とし金額には、元金と合わせて利用額に応じた金利から計算した手数料が含まれています。

リボ払いは、毎月の支出管理がしやすい点がメリットです。一方で利用額がどのくらいになっているのか把握しにくくなる点はデメリットとなります。なかには、リボ払いの仕組みを理解しておらず「いつまで経っても返済が終わらない」という人も少なくありません。クレジットカードの中には、リボ払い専用のカードや申込時に自動的にリボ払いとなるように設定されているものもあります。

そのため申し込む際には必ず確認し「専用のカードは極力利用しない」「自動設定は外してもらう」といった点に注意しましょう。

不正防止の対策を行っておく

一般社団法人日本クレジット協会の「令和2年度クレジットに関する消費者向け調査結果報告書」によるとクレジットカードの保有者の半数以上が「盗難や紛失」「情報漏えい」による不正利用に対する不安を持っていることが分かります。紛失や盗難については、判明した時点ですぐに警察およびカード会社に連絡を入れることでその間に不正利用があった際には補償してもらうことが可能です。

同協会の「クレジットカード不正利用被害の集計結果について」によると2020年度のカード番号盗用被害額は、約223億6,000万円でした。2016年度の同被害額は、約88億9,000万円となっており数年で約2.5倍に増加している傾向です。カード会社やショッピングサイトも決済の際には、本人確認のために2重認証を行うなどのさまざまな不正防止対策を取っています。

すでに大手クレジットカード各社は、対策を講じている傾向です。しかし不正防止策を利用する際には、カード会社のサイトにログインし必要な情報を事前に登録する必要があります。このように持っているだけでは安全と言い切れないため、オンラインサイトなどメインで使うカードについては、必ず自分で事前に対策を取っておくようにしましょう。

また店舗での利用の際にカード番号を読み取られないようにクレジットカードの表面に番号が記載されていない「ナンバーレスカード」を発行するクレジットカード会社も出てきています。もちろん不正利用の手口は巧妙かつ進歩しているため、絶対に安全とは言い切れません。ただし最新の対策を講じておくことで被害を最小限に防ぐことはできます。

今後もキャッシュレス決済を導入する店舗は、増えることが予想されるでしょう。発行されるカードの種類もそれに合わせて多様化しています。利用シーンやそのカードを使うことで得られるメリットなどをしっかりと把握し上手に活用することでキャッシュレス生活を充実したものにしていきましょう。

(提供:YANUSY

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