これまで特集「プロフェッショナル顧問という働き方」では、名誉職的な側面が強かった「顧問」が、この10年間で大きく性質を変えてきて、今や稼げる一つの職業になってきたことをお伝えしてきた。だが、ある事情から顧問だけでなく、社外取締役に対するニーズも高まっている。そこで特集の続編として、今回から社外取締役について3回に渡って取り上げていくことにする。

社外取締役の争奪戦が激化!ガバナンス改革の波紋
(画像=ZUU online)

ガバナンスコード改訂で焦る企業

「このままではやばいぞ。兼任でもなんでもいいからとにかく誰かみつけてこい!」

昨年、ある中堅の上場企業の経営企画部ではこんな大号令がかけられた。見つけてこいと言われたのは社外取締役のこと。この企業では、それまでも社外取締役がいたものの、その取締役から「再任は厳しい」と断られ、慌てて次の社外取締役候補探しをしなければならなくなったからだ。

こうした社外取締役探しに走るのはこの企業だけではない。多くの企業で社外取締役が足りない“事情”が生じているからだ。そこでまず、その事情を探ることにしよう。