トヨタ・ランドクルーザー 価格:366万6000~697万4000円 試乗記

トヨタ・ランドクルーザーが築き上げてきたアイデンティティと信頼
トヨタ・ランドクルーザー・プラドTZーG 価格:6SAT 554万3000円 プラドは日本販売主力車 TZーGは2.8リッター直4ディーゼル(204ps)搭載 ボディは強靭なラダーフレーム構造 駆動方式はフルタイム4WD

正統派オフローダーの伝統を守った革新の存在

販売台数:1万6194台(2021年1~6月)
(販売比率/ランドクルーザー・プラド:93対ランドクルーザー200 :7)

プラド人気グレード
1:TX・Lパッケージ・ブラックエディション(特別仕様)+
2:TX・Lパッケージ
3:TX

プラド人気ボディカラー
1:ホワイトパールクリスタルシャイン
2:ブラック
3:アティチュードブラックマイカ

 ランドクルーザーは大都市から地方まで、日本全国どこでも見かける人気モデルだ。根強い支持の背景には、ルーツのトヨタ・ジープBJが生まれて今年で70周年という、日本一長い歴史がある。
 この間、ランドクルーザーは無類の信頼性・耐久性を武器に、世界各地の道なき道で移動を支えてきた。テレビで中東やアフリカの中継が入ると、必ずといっていいほど映し出されている。現地の人々にとって「ランクル」は、インフラに近い存在に違いない。

 現在日本で販売しているランドクルーザーは、フラッグシップの200系とライトデューティなプラドになる。海外では他に、ヘビーデューティ用の70系がある。なお、6月10日、200系の後継となる300系が公開された。

 多くのSUVはモノコックボディに4輪独立懸架サスペンションを備え、悪路走破性は電子制御で対処している。これに対し、ランドクルーザーは強靭なラダーフレームを採用。リアサスペンションはリジッドアクスルを受け継ぎ、トランスファーにはローレンジを備える。
 そのうえでステアリング操作だけで悪路を走破していけるクロールコントロール、路面状況に適した走りを5モードから選べるマルチテレインセレクトなど、走破性をさらに高める電子制御デバイスを追加した。正統派オフローダーとして伝統と革新を併せ持つ存在である。

トヨタ・ランドクルーザーが築き上げてきたアイデンティティと信頼
悪路で威力を発揮するダウンヒルアシストコントロール/アクティブトラクションコントロール/センターデフロック装備 プラドのリアゲートは横開き式

年々、洗練度が高まる走り味。新フラッグシップ300系も新登場

 販売主力のプラドは2.7リッターガソリン(163ps)と2.8リッターディーゼルターボ(204ps)を用意する。力強さと経済性を兼ね備えたディーゼルは非常に使いやすい。
 プラドの舗装路での走りは、マイナーチェンジのたびに洗練性が高まっている。それでいてオフロードに入れば、無敵の走破性を披露し、目的地まで乗員を安全確実に運んでくれる。プラドはランドクルーザーの中ではライトな味付けだが、パフォーマンスはクラス最強レベルにある。

 なおフラッグシップの300系は、新開発GA―Fプラットフォームを採用。エンジンはツインターボの3.5リッターガソリン(415ps)と3.3リッターディーゼル(309ps)を搭載する。販売は夏以降に世界各地で順次スタート予定だ。

トヨタ・ランドクルーザーが築き上げてきたアイデンティティと信頼
プラドのインパネは上質な印象 TZーGのステアリングはウッド本革コンビ仕様 内装色はベージュ(写真)とブラックを設定 ナビはセットop
トヨタ・ランドクルーザーが築き上げてきたアイデンティティと信頼
トヨタ・ランドクルーザーが築き上げてきたアイデンティティと信頼
トヨタ・ランドクルーザーが築き上げてきたアイデンティティと信頼
プラドTZーGは本革シート標準 3列シート構成で乗車定員は7名 乗り心地はゆったりとしている 室内長2520mm
トヨタ・ランドクルーザーが築き上げてきたアイデンティティと信頼
トヨタ・ランドクルーザーが築き上げてきたアイデンティティと信頼
トヨタ・ランドクルーザーが築き上げてきたアイデンティティと信頼
フラッグシップモデルが新型300系に移行 世界中のどんな道でも走破でき運転していて疲れないクルマを目指した ラダーフレーム構造の軽量&高剛性GAーFプラットフォームを採用 低重心化で走りを一新 エンジンはガソリンとディーゼルのV6ツインターボ搭載

トヨタ・ランドクルーザー・プラド 主要諸元と主要装備

トヨタ・ランドクルーザーが築き上げてきたアイデンティティと信頼

グレード=プラドTZ-G
価格=6SAT 554万3000円
全長×全幅×全高=4825×1885×1835mm
ホイールベース=2790mm
トレッド=フロント:1585×リア:1585mm
最低地上高=220mm
車重=2330kg
エンジン=2754cc直4DOHC16Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=150kW(204ps)/3000~3400rpm
最大トルク=500Nm(51.0kgm)/1600~2800rpm
WLTCモード燃費=11.2km/リッター(燃料タンク容量55リッター)
(市街地/郊外/高速道路:8.7/11.3/12. 7km/リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:トレーリングリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=265/55R19+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=7名
最小回転半径=5.8m
主な燃費改善対策:直噴エンジン/電子制御式燃料噴射/過給器/インタークーラー/高圧噴射
主要装備:トヨタセーフティセンスパッケージ(プリクラッシュセーフティシステム+車線逸脱警報+オートマチックハイビーム+レーダークルーズコントロール)/VSC+アクティブトラクションコントロール&ダウンヒルアシストコントロール+ヒルスタートアシストコントロール+ハイドロブレーキブースター+電動センターデフロック/AVS & R電子制御エアサスペンション/KDSS(キネティックダイナミックサスペンション)/ばね上制振制御/トルセンLSD/ドライブモードセレクト/クリアランス&バックソナー/LEDヘッドライト/7エアバッグ/スーパーUVカットフロントガラス/電動オートアウェイ式チルト&テレスコピックステアリング/オプティトロンメーター/本革シート/前席快適温熱&ベンチレーション機能/電動格納3rdシート/フルオートAC/盗難防止システム
装着メーカーop:タイヤ空気圧警報システム3万3000円/ブラインドスポットモニター&リアクロストラフィックアラート6万6000円/チルト&スライド電動ムーンルーフ11万円/ルーフレール2万7500円/NAVI-AI-AVS & リア電子制御エアサス+マルチテレインセレクト+クロールコントロール+ディスプレイオーディオ+Tコネクトナビゲーション&スーパーライブサウンド51万2600円
ボディカラー:ブラキッシュアゲハガラスフレーク※現在は未設定
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万4430円

Writer:森口将之 Photo:小久保昭彦

(提供:CAR and DRIVER