世界的な暗号資産(仮想通貨)取引所であるBinance(バイナンス)のオーストラリア法人は31日、元DigitalXのCEO兼取締役であるLeigh Travers氏を最高経営責任者に任命したと発表した。
Travers氏はオーストラリアの上場企業でブロックチェーン関連事業を手がけるDigitalX において、過去7年間、重要な役割を果たしてきた。またDigitalXに入社する前にはオーストラリアのブロックチェーン業界団体であるブロックチェーン・オーストラリアの役員を務めていた。
Travers氏はバイナンス・オーストラリアにおける優先課題として、ブランドの成長と規制当局との協力関係に重点的に取り組むことを挙げている。
同氏は、「私は長年、ブロックチェーン技術が社会に恩恵をもたらすと提唱しており、今後数年間で業界を成長させることが使命だ。私はオーストラリアにおけるブロックチェーンの採用とブロックチェーンビジネスの道筋を支持するバイナンス・オーストラリアと共通していると考える。全国のユーザーと一緒に仕事をする機会は非常にエキサイティングである」とコメントした。
暗号資産業界に対しては 「(業界の)観点から見ると、コンプライアンスとベストな方法を選択する会社のコミットメントを強化しながら、規制当局との関係を継続的に続けることが必須であると考えている」と述べている。
最後に「デジタルアセット分野のマーケットリーダーとして、我々には業界の成長に貢献する責任があり、これは政策立案者や規制当局との関わり、そして対話を優先することを意味する。オーストラリアがイノベーションの分野で世界をリードし、未来の経済のために雇用を創出するためには、目的に合った段階的な規制の枠組みを提唱することが不可欠だ」と締めくくった。
Travers氏の就任に伴い最高経営責任者を退任するSam Teoh氏は、「Leigh (Travers)氏がDigitalXで行ってきた仕事を以前から注意深く見てきた。バイナンス・オーストラリアの継続的な成長だけでなく、オーストラリア全体でのブロックチェーン・ビジネスや暗号資産の普及のために、彼と一緒に仕事ができることを楽しみにしている」とコメントした。
今回、Travers氏を起用した背景には、現在バイナンスが世界的に警告を受けている規制面の問題がある。
オーストラリアを中心に暗号資産・ブロックチェーン業界に貢献してきたTravers氏を最高経営責任者に任命することで、規制当局との関係を強化していきたい狙いがあるものとみられる。(提供:月刊暗号資産)