一般社団法人新経済連盟(新経連)は27日、「ブロックチェーンの官民推進に関する提言」をデジタル大臣、金融担当大臣、経済産業大臣宛に提出したと発表した。
同提言では、今年度の政府戦略を踏まえた形で、政府に対して6つの提言を行うとともに、海外政府のブロックチェーン戦略や法整備の最新事例をまとめたもの。
1つ目は「ブロックチェーンを国家戦略に」だ。
各国政府において、ブロックチェーンを導入する明確な目的意識のもと、産業政策としてのスタートアップ企業の育成や金融取引の促進、社会基盤のDXを前提としたスマート政府化の動きが加速していると新経連は指摘。日本政府もブロックチェーンに対するビジョンやスタンスを国家戦略として打ち出し、政策的な仕組みを整備すべきだと説明した。
2つ目は、「ブロックチェーン官民協議会の設置」。
2021年度の政府方針や自民党議連からの提言の実現に向けて、デジタル庁、金融庁、法務省などの関係省庁が揃う形で、官のイニシアチブのもと、官民協議の場を設置すべきとしている。
3つ目は、「世界一デジタルフレンドリーな法整備」
「紙面・対面・中央集権」を前提としたレガシーな法制度によって、ブロックチェーンの技術中立性が担保されない事態が生じている。ブロックチェーンを活用する上で障壁となりうる諸論点に対して、デジタル対応を徹底すべきとのことだ。
4つ目は、「NFTに関する事業環境の整備」。
NFTが表章する価値や権利について法制度上の扱いを整理し、ユースケースや生じうるリスクを類型化の上、関連規制への該当性をガイドラインなどで明示する必要がある。一元的な相談窓口を設置し、「まずやってみる」という事業者の挑戦を許容する政策スタンスのもと、事業環境を整備すべきだと提言した。
5つ目は、「STO・ICOに関する会計基準の整備」。
国際的には、ブロックチェーン企業への投資・資金調達が過去最高の潮流だ。日本の上場企業によるトークン発行や、BCスタートアップの資金調達に支障が生じないよう、会計基準を整備すべきとしている。
そして最後に「税制改正」だ。
個人向けには総合課税から申告分離課税への変更、損益通算や損失の繰越控除を可能にし、法人向けには法人が期末において所有する暗号資産に関わる未実現利益(損失)について、課税対象とされている点、見直しを行うことを提案した。(提供:月刊暗号資産)