この記事は2022年9月21日に「月刊暗号資産」で公開された「FTX EU、キプロスでライセンスを取得 欧州全域でサービス展開が可能に」を一部編集し、転載したものです。


FTX
(画像=Zhanna/stock.adobe.com)

大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの欧州部門であるFTX EUは15日、キプロス証券取引委員会(CySEC)から投資会社としての活動を可能とするライセンスを取得したと発表した。

これにより、FTX EUはアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーを含む欧州全域でサービスを展開することが可能となった。

FTX EUの責任者であるPatrick Gruhn氏は「年初よりヨーロッパでの事業をスタートさせ、今回キプロス証券取引委員会から承認を受けることができ、大変うれしく思っている。このライセンスのもとで事業を行うことで、最高水準の規制を受ける欧州企業であるという当社の目標がさらに達成されることとなる」とコメント。さらに、「これからも我々は、キプロス証券取引委員会と良好な関係を築きつつ、ヨーロッパでのサービス拡大を図っていきたいと思う」と意気込みを語った。

現在、欧州では第2次金融商品市場指令(MiFID II)を遵守することが求められている。この規制は顧客資産の分離や資産保護、事業運営における透明性の確保、自己資本比率の管理等、様々な点で厳格な内容が示されており、FTX EUもこの規制に遵守する形となる。

なお、プレスリリースによれば、第2次金融商品市場指令を遵守する暗号資産取引所は世界で唯一FTXのみだという。

FTX EUは今年7月、ドバイでも暗号資産サービスプロパイダーとしてのライセンスを取得している。また、今年2月にはLiquid Groupの買収を通じ、日本進出も果たすなど、加速度的にサービス展開地域を拡大させている。

先月には韓国・釜山市と提携し、同市におけるブロックチェーンの発展と暗号資産取引所設立に向けた支援をすると発表した。これに関連し、今後12ヵ月以内に同市でFTXの韓国支社を設立する予定であることを明かしている。

なお、韓国におけるFTXの動向としては、大手暗号資産取引所Bithumbの買収に向け交渉を行っていることが報道されている。現時点で進展は明らかになっていないものの、Bithumbを買収して韓国でのサービス展開を強めていく可能性もある。(提供:月刊暗号資産