この記事は2022年10月13日に「月刊暗号資産」で公開された「暗号資産市場と株式市場共に軟調な動き 米CPIに警戒感」を一部編集し、転載したものです。
12日の米株式市場は、ダウ工業株30種平均が小反落し、前日比28.34ドル(0.09%)の29,210.85ドルで終えた。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は前日比9.09ポイント(0.09%)の10,417.10ポイントを記録し、年初来安値を更新。S&P500は前日比11.81ポイント(0.33%)安の3,577.03ポイントで終え、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も前日比 0.9%下げるなど、軟調な結果となっている。
米連邦準備理事会(FRB)が日本時間13日未明に公表した先月20日~21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、「インフレを引き下げるため、さらなる制約的な政策スタンスに移行し、維持する必要するがある」との見解で一致したことがわかった。また、金融引き締めを行わないと経済に悪影響を与える可能性があるという旨も記載されており、世界経済や金融環境の不透明感が高いなかで、今後の引き締めペースを調整することが重要だとの考えが示された。
さらに、12日に発表された米生産者物価指数(PPI)は市場予想を上回る伸びを示した。前月比0.4%上昇し、前年比では8.5%上昇した。市場予測では8.4%の上昇であった。これを受け、FRBが大幅利上げを継続するとの警戒が強まった形だ。
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)が記事執筆時点で1万9,000ドル(約279万円)付近を推移しているがものの、方向感の見えない取引が続いている。アルトコインにおいても同様で、前日比5%前後のマイナスで推移する銘柄が目立つ。
近頃、ビットコインは1万8,000ドル(約264万円)台に差し掛かると買いが入る傾向が強まっている。市場のセンチメントを測定するFear&Greed Indexによると、現在のビットコインの恐怖指数は20というスコアになっている。今年6月には一時「6」を記録しており、当時と比べれば改善されているものの、暗号資産市場が恐怖状態にあることに変わりはない。
日本時間13日21時30分頃には米9月消費者物価指数(CPI)が発表される今年の暗号資産市場は米CPIの発表直前および直後に大幅変動する傾向が強まっているため、注意が必要となる。
市場予測では前年比8.1%となっている。なお、先月の発表では8.3%であった。(提供:月刊暗号資産)