この記事は2022年10月17日に「月刊暗号資産」で公開された「デFRB副議長、銀行が暗号資産商品を取扱うリスクとステーブルコインについて言及 」を一部編集し、転載したものです。


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(画像=g0d4ather/stock.adobe.com)

米FRB(連邦準備制度理事会)のマイケル・バー(Michael Barr)監督担当副議長は12日、「金融イノベーションの可能性とリスク管理」と題した講演を行い、暗号資産(仮想通貨)が抱えるリスクについて言及した。

同氏は、「銀行が暗号資産関連商品に参入することはリスクが伴う」と述べた。また、「歴史を通じて言えることは、革新的な金融商品は人々を興奮させその力が、根底にある脆弱性を、当局の管理から免れてしまうことがあるということだ。新たなリスクは企業や家計に重大な損害をもたらし、しいては世界金融危機にいたる。革新的な金融商品の情報開示と顧客の利益保護を組み合わすことができなければ新たなシステミックリスクを生み出す」と述べ、それらのリスクを防ぐことこそが金融当局の仕事だと語った。

さらに、今年の暗号資産市場についても言及し、銀行は暗号資産のボラティリティの高さによる損失に直接影響を受けていないとしながらも、「これら一連の出来事は銀行組織の潜在的なリスクを浮き彫りにした。銀行の預金が暗号資産業界や暗号資産関連企業からの預金に集中した場合、銀行は暗号資産市場の発展と相関し、密接につながりながら預金変動を経験することになる」と警戒感を示した。

暗号資産関連企業の預金保険等に関する不正確な説明が顧客の混乱を招く可能性があるとし、「暗号資産関連企業に預金サービスを提供している銀行は、市場にストレスを起こすことが起こった場合、引き出しが増加することなどが考えられる。銀行が暗号資産に関連する企業に銀行商品やサービスへの提供を停止した方が良いというのではなく、リスクが適切に管理されるようにすることが重要だ」と続けた。

また、ステーブルコインについては「民間で発行された貨幣として機能しているが、それ以上に大きな能力に満ちている。貨幣に類似した資産は、金融の安定を脅かす可能性があることは歴史が証明している」とし、注意深く見る必要があるとの考えを示した。

その一方で、バー氏はドルに裏付けられたステーブルコインについては「非常に興味深い」との認識を示し、「ステーブルコインは中央銀行の信頼を借りているため、その利用については連邦政府が強力な枠組みを設けるべきだ。FRBは金融安定化のため、他の規制機関と協力してステーブルコインの規制枠組みに取り組む」と語った。

この講演ではFRBが進めるデジタル決済システム「FedNow」についても触れ、「低コストかつ安全、効率的で、瞬時に送金を実現するデジタル決済の新しいプラットフォーム・FedNowサービスは実現まで最終段階にきており、来年の5月から7月にサービスを始める」と述べた。(提供:月刊暗号資産