この記事は2022年10月20日に「月刊暗号資産」で公開された「JVCEA、暗号資産の上場前審査を撤廃へ 12月中にも事後モニタリング体制導入と報道」を一部編集し、転載したものです。


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(画像=NOBU/stock.adobe.com)

JVCEA(日本暗号資産取引業協会)は、交換業者が新たな暗号資産(仮想通貨)を取扱う際の事前審査を原則撤廃し、事後モニタリングへの移行を決めたことがわかった。19日、Bloombergが報じた。今年12月中にも新たなルールを施行するという。

Bloombergによると、JVCEAはこれまで行なってきた暗号資産の事前審査について、一定の条件を満たせば不要とし、上場後にモニタリングを行う体制を導入するようだ。

今後、各取引所が暗号資産を上場しやすい環境を整える狙いがある。

対象となるのは、資金調達を目的とするICO(イニシャル・コイン・オファリング)およびIEO(イニシャル・エクスチェンジング・オファリング)の暗号資産のほか、国内での取扱いが初となる暗号資産を除く全ての銘柄を予定しているという。

事後モニタリングへの移行については、今年6月にも検討を開始したことが明らかになっている。

これまで、新規暗号資産の取扱いに関する届出から承認までに時間を要してきたことが国内暗号資産業界にとって重荷となっていた。

こうした課題解決に向け、今年3月には上場審査プロセスの改善および効率化を目的として「グリーンリスト制度」を導入。この制度は、3社以上のJVCEA会員企業が取扱っている、または1社が取扱いを開始してから6ヵ月以上経過している等、一定の条件を満たした暗号資産については事前審査を必要とせずに取扱いを開始することを可能にするものだ。

今後、JVCEAは事前審査を行わない代わりに各銘柄について不適切な状況がないかモニタリングを行う。不適切な銘柄が見つかった場合は、業者に対して確認を行うほか、必要に応じて取扱いの停止および廃止を要請していくという。

また、各交換業者は上場に際し事前の報告義務が課される。上場後3ヵ月に一度の報告書作成およびJVCEAへの提出を求めるほか、一連の手続き料として1件につき10万円を支払うことを求めるという。

JVCEA副会長で暗号資産取引所ビットポイント代表取締役の小田玄紀氏はBloombergの取材に対し、「今回の取り組みが日本の暗号資産市場の活性化に寄与すればと考えている」と答えたようだ。

さらに、個人的な考えと前置きした上で、国内初の取扱いとなる暗号資産についても来年度を目安に「一定の条件を満たせば事前審査なく上場が可能となればと考えている」と説明したという。

近頃、国内暗号資産業界を取り巻く環境には変化の兆しが見えている。特に暗号資産税制を巡っては、Web3.0の推進を背景に見直しを行う方針が政府・与党を中心に示されており、今後これまで以上に議論が進められていくものとみられる。(提供:月刊暗号資産