この記事は2022年12月16日に「月刊暗号資産」で公開された「FTX Japan、来年にもオークション形式で売却へ」を一部編集し、転載したものです。
先月破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの代理人弁護士は15日、日本法人であるFTX JapanとFTX Europe、FTX USが買収したLedgerX、株式取引サービス・Embedの4つの事業を来年オークション形式で売却する許可を求めるための書類を連邦破産判事に提出した。
FTXは先月、破産申請した際に100億ドル(約1兆3,700億円)以上の負債があると申告書に記していた。暫定CEOのジョン・J・レイ3世(John J RayⅢ)氏率いるFTXは先月19日、チャプター11(米連邦倒産法第11条)におけるプロセスの一環として、利害関係者の回収可能な価値を最大化するために、グローバル資産の戦略的見直しを行うことが必要であり、資産調査を開始すると発表していた。
FTX Japanについては、日本の金融庁の認可を受け、同庁の規制監督下にあるとしている。現在、入札者をすでに募っている段階にあるようだ。
FTX Japanは今もなお業務停止および業務改善命令の対象となっており、運用停止の期間が長引けば長引くほど、資産価値の損失とライセンスが取り消されるリスクが高まることを指摘している。さらに、会社が債務者に差し押さえられている限り、顧客と従業員の数は減少する一方であると述べている。
こうした状況を踏まえ、承認された買主への売却することで、ビジネスが継続企業として事業を継続・再開し、その結果、「債務者の財産に対するビジネスの価値を最大化できる」と説明した。
現時点で、FTXグループ企業134社のうち1社以上の買収に関心を示しているのは110社以上あり、関心の高い26社とすでに機密保持契約を結んでいるが、まだ買収者を募る予定であると記されている。その中でも、FTX Japanについては通常通りのサービス提供等ができる会社の1つだとしている。
同取引所に関しては来年1月から仮入札が実施されるようだ。また、来年1月18日にEmbed、25日にLedgerX、2月1日にFTX JapanとFTX Europeが正式に入札を受けるとしている。FTX Japanの落札日は3月21日となっており、買主の発表は3月27日となっている。
入札条件として「現状維持に基づくものとし、債務者、その代理人、またはその財産によるいかなる種類、性質、または説明の表明または保証もないものとする。落札者は、保証、黙示的な保証、声明、表明、情報に対して責任を負わず、拘束されないことを認め、同意する必要がある」としている。
FTX Japanは現在、顧客資産の引き出しに向けて独自システムを開発するなど準備を進めている。早ければ来年1月にも顧客資産の引き出しを開始するとしていることから、今回明らかになった同取引所の売却がどのような影響を与えるか注目が集まることだろう。(提供:月刊暗号資産)