2月20日に「月曜日から夜ふかし」（日本テレビ）を見ていたら、番組冒頭に「2023年WINTER／街行く人の冬のファッションチェック」を10分ほど放映していた。特に注目されたのが、20歳代前半男子のラグジュアリーブランドへの入れ込みよう。「ハイブランドを着てアイドルライブに行くのが流行」なのだという。「バレンシアガ（BALENCIAGA）」がやたら登場している。まさか金を払っているわけでもないだろうが、あの11万円のダッドスニーカーが今も人気らしい。「シュプリーム（Supreme）」（2万円）のTシャツに「パーム エンジェルス（PALM ANGELS）」のトラックパンツ（5万円）に「バレンシアガ」のダッドスニーカー（11万円）のライブ帰りの男子は「今どきのオタクでチェックのシャツを着てとかいう文化は完全になくなりましたね」と断言している。さらに「バレンシアガ」の10万円の黒パーカを着た男子と一緒にいた男子は「ヴェトモン（VETEMENTS）」の黒パーカ10万円。デムナのファンではなさそうだが、「（アイドルライブの）現場で他のやつらにナメられたくない。コイツ金持ってるなと思わせたいから」とハイブランド着用の理由を語っていた。34万円の「ディオール エッセンシャル（Dior Essentials）」のブルゾンを着ている男子は「ハイブランド着てたら地下アイドルくらいならワンチャンあるんじゃないかと思って」と答えていた。その地下アイドルのひとりは「最近は女性のファンの来場も多くて、そういう女性ファンと男性ファンが恋愛に発展するパターンも多いから汚いとか嫌われないようにちゃんとしたファッションとかしてるんじゃないかな」と分析している。この他全身「ニューバランス（New balance）」とか「ピレネックス（PYRENEX）」（「モンクレール（MONCLER）」のダウンを作っているピレネー山脈麓の工場が作っているブランド）、「ネバーマインド（Never Mind）」「ヴァンキッシュ（VANQUISH）」などの懐かしいブランドも登場。
この10年間、あまり業界は変わっていないなあと実感させた。ちょっと新しいところでは「SHEIN」が加わってきたことぐらいではないだろうか。ファッションの流れがあまりにもゆったりし過ぎて、これなら歴史と伝統と伝説をベースにしたラグジュアリーブランドの独壇場になるのは目に見えているというのが実感。
ブランドと言えば、1月9日〜15日の岸田文雄首相欧米5カ国歴訪の際に長男の翔太郎政務秘書官が公用車で土産を買った事件。ポケットマネーだというが、その際に大量に買ったネクタイは「ジョルジオ アルマーニ（GIORGIO ARMANI）」だった。1980年代のイタリアンブーム以来、高級ネクタイと言えば「ジョルジオ アルマーニ」ではあったが、全く時間は止まったままなのだ。楽天のサイトで値段を見ると1万5900円〜2万5000円。2000年前後では1万5000円程度だったと記憶している、岸田秘書官はロンドンにハロッズ百貨店でこのネクタイを買ったらしいが、これも「？」である。普通はポンドで「バーバリー（BURBERRY）」を買うべきだと思うが、やはり「ジョルジオ アルマーニ」なんだね、国会議員というのは。ブランドの購買調査を百貨店でやると、「アルマーニ」の名前はさほど上位でもないのに、売り上げは渋太くそこそこの金額をキープしているのを不思議に思っている若手記者がいたが、店頭というよりも国会議員や医者という超外商客がその売り上げを支えている一端を見せつける事件だったと思う。
さて、当世ブランド事情というと、なんと言っても美人国際政治学者でファッションセンス抜群の三浦瑠麗氏（42歳）を取り上げておかなくてはならないだろう。故安倍晋三総理の桜を見る会には、「ディオール（Dior）」のワンピース「シャネル（CHANEL）」のチェーンバッグ、その国葬には「アレキサンダー マックイーン（Alexander McQUEEN）」の胸元と袖がシースルーになったドレスというラグジュアリーブランドを着用していたのはすでに紹介した。まあ悪くはないセンスだしブランド選びだ。夫の横領容疑で東京地検特捜部の家宅捜査後は沈黙していたようだが、2月10日にインスタグラムを再開し、さらに2月15日のツイッターではタイのバンコクで開催された日本の起業家を集めたようなフォーラムに出席したことを報告。同日深夜にはTOKYO FMのラジオ番組「TOKYO SPEAK EASY」（スポンサーは聖教新聞）に友人の茂木健一郎氏（60歳）を相手に語り合っている。２人は創価学会系の「第三文明」に頻繁に執筆していることもあり親しい。この収録には三浦瑠麗氏は「ドルチェ＆ガッバーナ（Dolce&Gabbana）」の白のツイードワンピースで臨んだという。「ドルガバ」ですか。悪くはないが、まあ昭和のミーハーレベルの域を出てはいない。
もう少しブランドのレパートリーを広げてもらいたいとは思う。タッパがあってスタイルは悪くないのだから、ファッション業界を「おっ！！」と言わせるようなブランドを選んでほしいものだ。
